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身の丈しごと研究室 #10 『しごとにするのは強みか弱みか』

この記事はさとびごころVOL.49 2022 springよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 「身の丈起業」、「身の丈しごと」などの取り組みを地味~に行っております。

 このコラムでは何度も理念の大切さを説いてきましたが、いくら自分が「やりたい」と思うしごとも、「できる」力がないといけませんよね。しかし、最初からできることは稀で、「やりたいけどできない」から始まるのが実際はほとんどで、しかもこの状態を放置しておくと、いつのまにか後ろめたさを感じるようになり「弱み」に転化してしまいます。

 克服するには、①できるように努力する、②諦めて他人に任せる、③実はできていたことを知る、の3 つ方法が考えられます。①は正攻法ですが、誰もが成功するものでもありません。②は場合によってはお勧めの方法なのですが、今回は③の話をしたいと思います。これについて学ぶ私の推薦図書は『オズの魔法使い』です。今度は童話?と呆れないでください。童話はだいたい示唆に富んでいるものです。

 たつまきに飛ばされてオズの国に来た少女ドロシーは、自分の故郷に帰るために、大魔法使いオズを訪ねる旅をします。道中、かかしとブリキの木こりと臆病なライオンが仲間になります。彼らは各々弱みを抱えていてオズの魔法で治してもらいたいと思っているのです。

 かかしは、自分には脳みそがないから考えることができないと嘆きます。ブリキの木こりは、自分には心臓がないから愛することができないと嘆きます。臆病なライオンは、自分には勇気がないから百獣の王に相応しくないと嘆きます。彼らに会ったオズは、望みの物を与える前に、ある課題を言い渡します。それをクリアする過程で、彼らは実は自らの力で弱みを克服し、人格的(人ではないですが)にも大いに成長するのですが、それには気づきません。そこで、帰ってきた彼らにオズは嘘の魔法で望みの物を与えるのでした。

 身の丈しごとの考え方として、強みを仕事にする考えも良いのですが、得意な仕事というのは、とかくできない人の気持ちが分からず、思わぬ苦戦をすることがあります。一方克服した弱みは、できない人の気持ちも分かり、頼りにされやすい一面を持ちます。

 自分が弱みだと思っているものも、実はあなたの宝なのかもしれませんね。

さとびごころVOL.49 2022 spring 掲載

戸上昭司(とがみしょうじ)

NPO法人起業支援ネットほか(多足の草鞋)

1973年大阪身の丈しごと研究室 #14 身の丈起業のプロセスを読み解く(下)生まれ。神戸、名古屋、福島、釜石と渡り歩き、2015年に奈良に落ち着きました。「理念」と「身の丈」を両軸に、仕事起こし、自分起こし、地域起こしのお手伝いをしています。

さとびごころ連載

戸上昭司

身の丈しごと研究室

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