12月になり、いよいよ冷える日も増えてきました。みなさま、体調をくずされませんように。さとびは、来月の冬号にむけて、外出予定を減らしてデスクにへばりつく1ヶ月を迎えています。
あっというまの一年ですね。つい先日、今年のイメージをしながら計画をたてていたような気がします。でも、時間を早く感じるのは、充実しているというふうに、いい方に解釈しておこうかな!(いや、年齢のせい?かもしれなくてもですよ)
思いかえすと、さとびはコロナ禍の頃から、ちょっと気合が入ったように思います。たくさんの人を不安でいっぱいにしてしまうような状況があると、逆にやることがあるような気がしてくるのです。
2020年に発行したさとびは、もっと以前から準備をしてきたものですので、2021 年以降のさとびには「コロナ禍感」が現れてきました。2021年冬のテーマは日本酒。日本酒にも含まれるアミノ酸(5-ALA)がコロナを100%阻害するというニュースがありましたよね。これでみんなが奈良酒を楽しみながらコロナ阻害体質になってもらえたらなあと。春のテーマは地質。これは1年以上前からとりかかっていたもので、ぜひやっておきたかった。読者さんにはあまりピンとこない方もあったかもわかりませんけれど、今立っているところが地球史レベルでみて、どんな場所なのか、足元から考えてみませんかという気持ちでした。それがあって、縄文時代を見てみてほしいなって。夏には薬食同源奈良。食べものを通して、安易に薬に依存しない健康を取り戻す人が増えてほしかったのです(この時から雑草キッチンをやろうと思い始め、2022年にスタートしました)。秋には森特集。さとびにとって森というのは木材が生産される現場ということだけでなく、奈良盆地を作った母のような存在で、古代人が常に昇る太陽に手を合わせた対象で、かなり神聖なものなんです。なので、毎年どこかで森のことは取り上げたいと思い、続けています。
翌年、冬は焚き火。縄文ごころをくすぐる楽しみを、野焼きが禁じられようとも、ルールを守りながら盛り上げたかった。現代の生活が火から遠かったということは、それだけ自然からも遠ざかっているわけなので、だったら意図的に火を楽しみたいと思う次第です。
コロナ禍で菜園を始める人が増えたらしいことをチャンスに、春に畑活の提唱を始めました。あなんも実際にやり、書くだけ・言うだけの畑活ではなく、本当にドハマりできた特集でした。そして田んぼや畑に欠かせない水のことを次の夏で取り上げ、そこに炭を戻せばサーキュレーションであり、CO2固定であり、健康にも生活にもプラスと言いたくて秋に炭特集を。
あれから3年たつのですね。必死に作っていると、ほんとにすぐに時間が過ぎてしまいます。どれも、渾身の特集と連載執筆者のみなさまの静かな情熱に満ちていますので、お持ちでないバックナンバーもぜひお読みになってみてください。
自然さえ元気なら、人間はその自然からいろんなものをいただいて生きていくことができますが、どんなに経済が大きくなっても、それだけでは不安定になるばかりです。バランスを取り戻す時なのです。経済を否定したいのではなくて、バランスを。
結論、自然も人も豊かであるためには、自然にも人にも「やさしさ」を持てるだけの心が人間の側に必要なんだと、それを「さとびごころ」と呼んでいます。さとびは日本語の俚からいただき、自然の豊かな場所を象徴として使っている言葉です。
やさしさは、かつては自然への畏敬の念でもあり、なにごとも一網打診にしないバランス精神でもあったと思います。あたかも自然に頼らなくても暮らしていけるかのように見える現代にあっても、実はそれは変わらず必要なことです。たとえ自然から離れても、この生活や命がどこからなぜもたらされるのかを思えば、やさしさ・感謝を持つことが、自然への畏敬に相当すると考えております。
実際、朝の太陽を見て「今日は晴れだなー」なんて思う時、しあわせですよね。たったそれだけでも、しあわせです。
奈良がさとびごころの溢れる場所になったら、きっと100年住み続けたい場所になる。すでにそうであるならば、それを守り続けることができる。
そんな思いで、今年も最後まで頑張ります。これからしばらく、投稿が減ると思いますけれども、なるべくSNSでみなさまと接点を持たせていただけたらと思っておりますので、よろしければフォローしてくださいませ。これといって、得することも、ためになることも書けないのですけど、ただ、みなさまをいつも心に、という証です。
さとびごころのお取り扱いは、奈良県の中で厚意で置いてくださっているスポットがございますが
お近くにない場合はオンラインショップにて、バックナンバーも置いております。
(在庫切れの号につきましては、お許しください。)
さとびこオンラインショップ
初めてご購入の方、ぜひ、さとびをどちらでお知りいただいたか、メッセージとともにご注文くださいませんか。マーケティング的な理由からでなく、単純にうれしいのです(^^)
ひとそれぞれ、いろんな価値観があるなかで、さとびに関心を示してくださるすべてのみなさま、本当にありがとうございます。