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身の丈しごと研究室 #08 もし今日が「身の丈」人生最後の日だとしたら

この記事はさとびごころVOL.47 2021 autumnよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 「身の丈起業」、「身の丈しごと」などの取り組みを地味~に行っております。今回も、私自身が身の丈しごとに至る過程で思考した「身の丈しごと」にまつわる話題を取り上げていこうと思います。先回は身の丈を健全に伸ばすためには「理念」が必要、ということに触れさせていただきました。今回は「理念」についてもう少し語りたいと思います。

 私が理念づくりの講習を行う時、いつも「自分が一生かかっても成し遂げられないこと」を考えるよう推奨ています。「2000 年先でも通用するもの」と言う時もあるくらいです(笑)。理念はそのくらい壮大に考えてよいのです。するとどうでしょう?なにか身の丈と矛盾するように感じませんか?

 理念を見つけるだけでも人生にとって意味があると私は思っていますが、実はそれだけでは身の丈にはならないのです。理念を、自分の行動(〝次の一歩〟)へと落とし込めてはじめて身の丈と言えるのです。しかし残念ながらこれは一足飛びにはいきません。このためには理念と〝次の一歩〟を結びつける地図を手に入れ、道を知る必要があります。これを私は「思考の地図」と呼んでいるのですが、ここでその地図について語るには、全くもって紙面が足りません。私がこの地図の存在を知って良かったことは、最善を尽くす行動を自在に作り出せるようになったことです。元来怠け者の私なので、常に最善を尽くせているわけではありませんが、その気になればいつでも最善行動を導き出せるというのは、物凄く精神の安定につながっています。

 アップル社を創業した故スティーブ・ジョブス氏がスタンフォード大で行った伝説のスピーチにこういう言葉がありました。「もし今日が人生最後の日だとしたら、今からやろうとしていることをするだろうか」。理念と思考の地図を持っている人なら必ず「する」と答えるでしょう。私はまだ人生最後の日を迎えたことがないので、いざとなったら取り乱さないとも限りませんが、おそらくは何も特別なことはせず、今日しようと思ったことを行うでしょう。理念をもって身の丈に生きるとは、「明日死んでも後悔しない生き方」とも言えそうです。

 それでは今日も、身の丈を精一杯使って〝しごと〟しましょう。

さとびごころVOL.47 2021 autumn 掲載

戸上昭司(とがみしょうじ)

NPO法人起業支援ネットほか(多足の草鞋)

1973年大阪身の丈しごと研究室 #14 身の丈起業のプロセスを読み解く(下)生まれ。神戸、名古屋、福島、釜石と渡り歩き、2015年に奈良に落ち着きました。「理念」と「身の丈」を両軸に、仕事起こし、自分起こし、地域起こしのお手伝いをしています。

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戸上昭司

身の丈しごと研究室

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