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「自分をたいせつに」と「自分さけよければ」の違い

8月になりましたね。まだまだ暑いですが、立秋はもうすぐですね。

さて、さとびこ編集室では、雑誌さとびごころを季刊で発刊するのと同時に、2023年からSATOBICOBOOKSとしてムックスタイルの冊子を発刊しています。

その5作目として、先月発刊したのが通称恵古箱ブックこと『ご縁をつなぎ夢をつむぐ恵古箱の扉』です。著者のメグちゃんこと上山恵さんと、さとびこのあなんの30年以上のご縁から生まれたものですが、恵古箱というちいさなカフェの物語をとおして、わたし自身がメッセージしたい思いを含めたものでもあるんですよね。

(そもそも、そういう気持ちがなければSATOBICOBOOKSにはならないのですけど)

わたくしあなんと恵古箱さんとの出会いは、過去記事や本の中でも書いていますので、ここでは省きますけれども、恵古箱さんがオープンされてまもない頃から取材させていただきましいた。当時インパクトを受けたキャッチフレーズに「地球をたいせつに 自分をたいせつに」というのがあり、章のタイトルとしてもとりあげました(「たいせつ」をひらがなで書くのがメグちゃんらしさです)。

15年前から、こんなフレーズを掲げて旗をあげている店主メグちゃん。世間では、1900年代ごろからさかんに「地球をたいせつに、地球にやさしく」という言葉が言い続けられていました。(そのわりには、今どうなんでしょう?)その言葉につづけて、「自分をたいせつに」というのです。マクロとミクロは両方たいせつにするから調和が保たれると思います。バランス感覚のある人だと思いました。それからずっと恵古箱さんを、つかず離れず見つめてきたのです。

自分をたいせつに。

みなさんは、どれだけ自分をたいせつにされていますか。また、それは自分さえよければいいという単なるエゴイスティックな気持ちと、どんなふうに違うと思いますか。

ここから先は、わたし個人の思いですけど、地球も、地域も、人間の体も、もしかしたら心も、フラクタルな繋がりがあると思っています。人体とは宇宙である、とかいいますよね。小さなものを貫くルールは、大きなものの支えにつながっているのではないかと思うからこそ、地域に根ざし、暮らしに根ざしたマガジンをつくったりしているわけなのです。

まず自分が満たされていなければ、「自然にも人にもやさしく」なんて言っても、「それどころじゃないよ」ということになるでしょう。自分を尊重し、自分にやさしくあることは、自分さえよければいいという気持ちとは全く別のものです。そして、自分を満たすためには年収がいくらとか、物をたくさん持っているかどうかとは関係なくて、すでにある幸せに気づくことができるかどうかということ、その上でよりよくあるために成長しようとしているのかということがポイントになるのかなと思います。

自分にやさしくってなんだろう?と考えるよりも先に、全体に合わせること、周囲と比較すること、定められた正解を全うすることにエネルギーを使い過ぎてはいないでしょうか。「全体」が正しい(赤信号は止まろうよ、などですね)場合はいいんですけど、もしその大前提が間違っていたとしたら?ノーと言えますか。自分をたいせつにするということは、自分の魂を裏切らないということだと思います。そうすると、心の中に豊かさがうまれ、余裕も生まれます。その余裕が自分以外の人へのやさしさとなって発露していきます。

もしも、「自分をたいせつに」という言葉に対して、自分さえよければいいのか?と攻撃する人がいたら悲しいですね。そういう意味ではないことは、みなさんは読み取ってくださると思いますけれど。

この「自分」という言葉のかわりに、「地域」「日本」「地球」などをあてはめてみてください。

わたしは、「自分をたいせつにしてこなかった部分があるかも」と、恵古箱との出会いから感じました。それが正しいことされていると感じたら、自分を隠し、押さえて、合わせないといけないように思っていた。もちろん、そんなつもりはなかったのですよ。どちからというと、自分の思ったことは他人と違っていても、それでいいんだと思うタイプだったんですよ。だけど、周囲と違うってことは怖さもあったのです。だから、自分を変えるつもりはないけれど、表面上は周囲に合わせることができるようなスキルを身につけてきた自分がいました。それって、悪いことではないかもしれないけれど、ともすれば、いつのまにか自分を粗末にしてしまうことにもつながっていたんじゃないかと思います。

自分をたいせつに。自分さえよえければじゃなく。

日本をたいせつに。日本さえよければじゃなく。

地域をたいせつに。わが地域さえよければじゃなく。

奈良をたいせつに。

それができる人が、外国も、地球もたいせつにできるんじゃないか、そうありたいと思うのです。ですから、「奈良さえよければいい」ではなく、奈良で暮らす人が奈良をたいせつにし、どこであれ、それぞれの地域の人がその地をたいせつに思ってほしいと考え、それが地球や自分をたいせつにすることにつながりますようにとの思いでさとびづくりをしています。

恵古箱ブックを手に取ってくださった方の中に、少しだけ、そんなさとびこ編集室の思いも届いたなら嬉しいです。


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