この記事はさとびごころVOL.43 2020 autumnよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。
・・・ 秋のおすすめ食養レシピ・・・
土鍋炊き玄米ごはん
秋といえば収穫の秋。
春に蒔いた作物が夏の間、天と地からの恵みを受け、たっぷりと栄養を蓄えて、寒い冬を迎える私たちの身体に必要なエネルギーを届けてくれる感謝の季節です。
今回はその代表の、私たち日本人の主食であるお米のお話から。
蒔けば芽が出る生命力
米の栄養成分の大部分は外皮のぬかと胚芽部分に含まれています。
その栄養は炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素に加え、ビタミンやミネラル、酵素や食物繊維なども含まれ、もはや完全栄養食といってもよいほどです。
白米を主食にするということは、これらの栄養素をすべて捨ててしまうということ。必要な栄養素をわざわざ取り除いて、それを補うために何種類もおかずを作ったり、サプリメントを摂るなんて、なんだかとても勿体無い話です。
玄米はその1粒から600粒のお米がとれる、生命力に満ちあふれた種子なのです。
そう考えると、お茶碗一杯の玄米ごはんには途方もない宇宙が拡がっているような気がしてきませんか。
まずは分搗き米から
玄米食にしたいけれど、ハードルが高くてできない、というお話もよく聞きます。手軽に始めやすいのは、白米から分搗き米に変えるという方法。玄米で購入し、精米機で好みに応じた精米具合で分搗き米にすれば、白米とほぼ同じ要領で炊くことができ、玄米の栄養素もとることができます。
分搗き米は酸化しやすく、大量に精米して保管するのが難しいので、家庭用の小さい精米機があれば、新鮮で安全なぬかをつかったぬか漬けも作れて一石二鳥です。
ぜひお米の美味しいこの季節から玄米生活を始めてみて下さい。
秋の食養生
空気が乾燥する秋から冬にかけては「肺」や「皮膚」の弱りやすい季節。空気中に湿気が少なくなると、肺や皮膚からはどんどん水分が失われ、身体が砂漠化し、病原菌が侵入しやすくなります。
さらにスナック菓子やパン、揚げ物や炒め物などの摂り過ぎは、潤いが失われる原因になります。
この時期におすすめなのは皮つきの野菜や、根菜、きのこなど。蓮根、大根、ごぼう、人参などを煮物や味噌汁、蒸し物や漬物など水分をたくさん含む調理法で頂くと、身体に潤いが戻ってきます。
皮をむかずに食べた方がよいので、農薬や化学肥料を使わずに育てられたものを選んでください。
また、白くて辛みのある野菜も食薬となりますので、白葱、玉葱、生姜などもおすすめです。
秋といえば食欲の秋。
食べ過ぎには気をつけて、来るべき冬に備えましょう。
さとびごころVOL.43 2020 autumn 掲載
筆者プロフィール さんぺい・かなこ
宇陀市にて穀物菜食の店「菜食ごはん 休日ダイヤ」を運営ののち、2020年4月より食養アドバイザー、ケータリング等の活動をはじめる。
菜食ごはん 休日ダイヤ
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