この記事はさとびごころVOL.42 2020 summerよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。
・・・ 夏のおすすめ食養レシピ・・・
ゆず胡椒きゅうりそうめん
「食養生」とは四季の変化や身体の性質、暮らしている土地や年齢に応じて、旬の食物のもつ生命力をまるごと効果的に取り入れることで、健康で自由な生活を送るための昔ながらの知恵です。
スーパーに行けば世界中の食材が何でも手に入り、薬局に行けば薬が簡単に買える現代ですが、豊かさと引き換えに病人の数は増える一方で、今や日本人の2人に1人が癌になると言われています。
この連載が、季節と共に暮らし、「食で生命を養う」ことに意識を向けて頂ける機会になれば幸いです。
夏の土用の過ごし方
土用といえば、夏の土用(7月19日頃から8月6日頃まで)が有名ですが、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間、年に4度巡ってきます。
この土用の時期は季節の変わり目であり、体調を崩しがちな時期。
すべてが腐敗しやすい時期でもありますので、食べ過ぎたり、消化の悪い動物性食品をとり過ぎると、腸内環境も腐敗しやすくなります。「腐」という字は腑(胃)に肉が入って成り立っていますよね。また、腸が汚れていると免疫力も低下し、病気やウイルスに感染しやすい体になります。
この時期の体調不良を改善するためには、まずは少食や粗食、断食などで胃腸を休めること。そして醤油や味噌、漬物、お酢、甘酒などの発酵食品で腸内環境を整えることが重要です。
アミノ酸や添加物を加えて短時間で発酵を促進させたものではなく、昔ながらの方法でゆっくりと時間をかけて、自然の力で発酵した本物を選ぶように心がけてください。
夏野菜は天然の冷却材
夏に身体にこもりがちな熱を取ってくれるのはナスやきゅうり、トマト、ピーマン、オクラ、西瓜などの夏野菜。天然の冷却材として熱中症、脱水症状、夏バテを防ぐ効果があります。
塩もみをしたり、ぬか漬けにしたり、味噌をつけるなどの食べ方をすればさらに効果的。
脱水症状は、汗によって体内の塩分が失われることで、心臓の働きや神経伝達機能が落ち、冷却システムに障害が起こることによって起こります。これを予防するには、にがりを含んだ自然塩(海水塩)を適度にとることが必要なのです。
炎天下に外で働くときなどは、水に梅酢を少量入れて飲むことで、塩分と疲労回復の作用があるクエン酸を同時に効果的にとることができておすすめです。
アイスや清涼飲料水などの白砂糖をたっぷり含んだ冷たいものを取りすぎると、胃腸を冷やし、食欲不振や無気力などのさまざまな夏バテ症状をおこしやすくなりますので、どうぞほどほどに。
さとびごころVOL.42 2020 summer 掲載
筆者プロフィール さんぺい・かなこ
宇陀市にて穀物菜食の店「菜食ごはん 休日ダイヤ」を運営ののち、2020年4月より食養アドバイザー、ケータリング等の活動をはじめる。
菜食ごはん 休日ダイヤ
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