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畑活 4年目の秋に、少し見えた気がした

どうしても畑がしたくなり

コロナ禍で仕事が暇になった2020年、畑と出会い、畑活が始まりました。日頃の原稿のうえでは自然農のことや有機栽培のことに何度も触れてきたし、農家さんにも出会ってきたのに、自分自身は畑に縁もなく、またプランターで植物を育てようとしてもなかなかうまくいかない経験から自信もなく、野菜や畑のことを何も知らない状態からのスタート。本当に自分にもできるのだろうかと思う気持ちを払拭して、「畑を貸してもらえる」せっかくのチャンスを生かそうと立ち上がりました。

どうしても畑がしたい。

なぜ、そう思ったのだろうかと振り返ると、自然の摂理に従った暮らし方がしたいという思いがつのってしまっていたのだと思います。10年に一度くらいのペースで社会を揺るがすようなことが起こりますよね。1995年に神戸の大震災、リーマンショックは2008年、東日本大震災は2011年、コロナ禍は2020年、これからもおそらく忘れたころに何かあることでしょう。ありがたいことにこれまで無事に暮らせてきたけれど、そろそろ(知識ではなく実践で)変わりなさいというメッセージが届いているような気がします。農や食のことを企画したいのであれば、自分が経験していなければいい取材ができないとも思っています。

何があっても家と食べるものがあれば、なんとかなる。家も家族もあるのだから、食のことに向き合う時だ。まだ知らないことが多すぎる。野菜ひとつも作れない。

段ボールコンポスト(これも何度目かのチャレンジ)生活を始めていましたが、段ボールよりも土に還してあげたかったし、プランターで芽生えては徒長する苗も畑で育てたかった。災害や感染症、政治的な理由から食糧が高騰することもありうる(現にそうなってきました)なかで、そこはかとない不安が心の底のほうに溜まっていきます。不安だ、不安だと言っているよりも、無農薬無化学肥料の食べ物を1種でもいいから作ればいい。食べたものが土に還り、土から育ったものを食べる、その循環の中に身を置いてみたい。もし、作れるようになったら、わたしと同じように「思ってはきたけれどできない」という人に教えてあげられたら。楽しいだろうなあ。食べものに対して安心感(体に安心であること、いつでも手にできること)があれば、人はもっとやさしくなれるはずなのです。縄文人はそうだったと思います。「わたし、21世紀の縄文人になるわ」などと、よく友だちに言っています。

スマホも使う一方で、里山にいけばお金を使わなくても何でもある生活(まだそこまでは至りませんが)。竪穴式住居に住んでいないけど、自然に寄り添った生活。そんな21世紀型の縄文生活ができる人になりたい。

畑活には夢がつまっています。畑はマイ里山。自分で作って(本当は自然の力ですけど)自分で食べる。少しずつでもいいから、自給力を養いたいと思うのです。

畑活のかたわら4年で企画したこと

1年目。見よう見まねの有機栽培(鶏糞など購入)初収穫は枝豆!
衣食住の特集を企画した。
vol.40 持続可能家族農業
vol.41 自然にも人にもやさしい家
vol.43 自然の色手作りの服
2年目。草マルチ、米糠、コンポスト堆肥などを使って、購入鶏糞を卒業。じゃがいも、たまねぎ、ニンニクは定番に。感染症を恐る前に、食で免疫力をアップさせるのが大事と考えて、特集を企画した。
vol.46 薬食同源奈良
3年目。菌ちゃん農法、自然農法、自然栽培、協生農法農法、炭素循環農法、いろいろ調べては試す。失敗は財産。いつか畑活に目覚める人がいたら、読んでほしい特集をつくった。
vol.49 畑活デビューガイド
4年目。大地の再生の考え方をとりれ、水と空気と微生物のことをいっそう重要視。雑草を味方につける方法もさらに研究。大根がうまく育った!
vol.54 奈良でじわじわ大地の再生

(食や農や、そのバックグラウンドとなる森のことは、これからも取り上げ続けたいと思います)

少し見えた気がした、大根のはなし。(よかったら読んでください!)

指折り数えて4年目の秋。今年のトピックは、大根です。夏に実験ゾーンとして、大地の再生や菌ちゃん農法を参考に、畝を堀って炭や有機物を埋めてから土を戻して枯草を置き、マルチ(雨を防ぎたかったのでビニールマルチ)を2ヶ月ほどかけておいたところに、秋の初め、大根の種を蒔きました。
(今年の夏は、マルチの隙間に育つスベリヒユをたっぷり収穫しました笑)


涼しくなっていくなかで、芽生えた大根が育ち始めました。過去の経験では、ダイコンウリハムシなどに食べられて無惨な姿になることが多かったのに、なんだか元気なんじゃないのか?
苗のまわりには(ビニールは外し)草マルチのふとんをかけてあげます。雑草は少々生えてきますが、夏のような猛スピードでは伸びてきませんから草マルチで十分、草引きなどの手入れはほとんどしていません。苗の光合成を遮る草だけをとるのは楽ちんです。下の写真は9月27日の大根。

「昨日まで元気だったのに、たった1日で大きく食べられている!」としょんぼりすることもしばしばあるのが畑活です。大根の成長は、その後も油断せずに見守りました。それが、やっぱり?どうやら?元気はつらつなのです。


大根のように、根菜類は土が硬いとうまく育ちませんので、トラクター等で耕すのが一般的です。でもわたしはなるべく耕したくない。土の表面には、草マルチで根気良く育てた土(微生物たち)があるのに、それをひっかきまわしたくないのであります。けれど今回は、実験として30センチ程度掘りました。これでうまくいけば、来年からはそこまで深く掘らなくてもいけるのではと思います。大根は土の下だけでなく、上にも伸びてきますので、大体の太さが観察できますよ。いつ食べようかなあ?

10月下旬、それぞれのペースで育っている大根たちの中から、一番成長の早かったものを収穫。つやつやで、いいかんじです。昨年までの大根は、激辛すぎて、大根おろしにしては食べられませんでした。今年はどうなんでしょう。早速、焼きサバのつけあわせにして食べたところ、辛味もありましたが甘味もあり、まずますの出来…いや、わたしにしたら上出来!胸をなでおろしています。



上の写真で、大根を持ってくれているのは、さともだちライターで畑に遊びにきてくれた小幡直子さん(元奈良新聞記者)です。畑活なかまに引き摺り込もうとしているわたし(笑)。



大根の成長ペースもさまざまで、さらに時間差をつけて蒔いた大根もあとを追いかけて育っています。もしかして、今シーズンは大根だけは自給はできそう。



土の準備がポイントか?

いつもホームセンターで買う堆肥も入れず、熟成度合いが心配だったコンポスト堆肥も入れず、炭、枝、草、落ち葉などを入れたのが良かったようなのです。種を蒔くより2ヶ月くらい遡って準備をしておいたことで、微生物がじっくりと育っていたのでしょう。野菜は、少々虫に食べられても常に新鮮な葉を広げ、何か「元気のもと」になるものと繋がっているかのように、成長していきました。それが自然の力ですよね。自然には本来「元気のもと」がたくさん、たくさん、含まれているのです。

購入してまで肥料や堆肥を入れる必要はなく、その場にあるもの、おのずと手に入るものを使って土づくりができるという目処がつきました(炭はいただいたものです。もみがらくん炭は購入しています)。秋ですので、わらや籾殻もいただきました。なんてラッキーなことでしょう。
終わっていく夏野菜(ナス、オクラ、ピーマン)の跡地やほかの畝でも、大根で実践したような土づくりを試してみますね。また報告します。

さとびこ編集室では「農ある暮らし」をテーマのひとつにしています。わたしはまだまだビギナーではありますが、「思っているのにできない人出身」ですので、同じような方のスタートには寄り添えるのではと思います。自信をなくしたり諦めたりする必要はありません。少しの助言や経験話を聞いたり、実際にいっしょにやってみることで、最初のハードルは楽に越えられるでしょう。そんな人がいらっしゃったら、コンタクトお待ちしています(おせっかいがしてみたい笑)










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