昨年この愛菌家コラムを連載中に、結婚して母となった草野みなみちゃんによる、愛菌子育ての実況中継です。子育ての終わった方には懐かしさを、今まさに子育て中の人には愛菌ライフのエッセンスをお楽しみいただけます。（編集部）

　こんにちは。最近よく発語するようになったわが子が「ヤッダー！」と言うので、「誰に習ったんやろ？」「みなみさんの口癖だよ」「えーそうなん？やっだー」という冗談みたいなやりとりをだんなさんとしました、愛菌家みなみです。

　さて１歳半になったうちの子、生まれてからずっとお湯シャン石けん無し・完全母乳（卒乳済み）・布おむつ・ノーワクチン・発芽玄米食でやってきましたが、よく食べよく出しよく泣きよく動き回り、たまに風邪を引いたり熱を出したりしながらもお医者さんにかかるほどのことも無く、すくすく元気に成長しています。ただ、生後ずっと細めの小柄でいわゆる「成長曲線の平均値の帯」の底辺をうろうろしていたのが、先日村の１歳半健診でついに体重がその帯より下になったことが分かり、親よりも診てくれた女医さんが心配されて「何か病気や代謝異常が隠れているといけないから」と採血して調べられる項目はもれなく全て検査してくれました（しかも医療費免除）。結果として何も異常は見当たらず、「お父さんかお母さんが小さい頃小柄だったとかありますか？」「はい、この子のお父さんが食べても食べても太らない体質で小さい頃から今現在までずっと細めの小柄です」とやりとりして終わりました。　

　この一件で逆にこの子の健康が医学的にも確認されたわけですが、わたしもだんなさんも元々、わが子の体格が他の子と比べて小柄なことを気にしていませんでした。もちろん病的に細い太いなら別ですが、大人にも大きい小さい、細い太いがあるわけで、それらは個々人の個性だと思います。何より毎日毎日一番近くでこの子を見ている者として、わが子が健康な小さな怪獣（笑）であることをわたしたちが一番よく知っています。

　ところで日本人は何でも「ふつう（平均）」が好きですね。それは単一民族国家日本特有のものであると思います。わたしが20代の約半分を過ごしたオーストラリアでは、多民族国家過ぎて体格や髪色、肌色などの「ふつう」が無く、また民族が違えば宗教も違うのでそれが街行く人々の格好にも現れており、例えばビーチが近いスーパーなどではイスラム教徒の女性がヘジャブ（ヘッドスカーフ）を身に着けて肌をできるだけ露出しない服装で買い物をしている横で、ビキニとショートパンツ姿で裸足のローカルの女の子たちが同じように買い物をしている風景が日常的に見られるなど、みんな違って当たり前、大人も子どももあまり他人のことを気にしていないようでした。

　このコロナ騒動でなかなか海外との接点も保ちにくい昨今ですが、この変化の時代を生きて行くわが子のためにも、日本国内の常識に捕らわれず、常に広い視野を持てる大人であり親であれるように気を付けたいものだなと思います。

　さて私事ですが、働いているNPO 法人で9 月から人員が減ったところにイベント準備が重なり、更に夫の自然農法専業農家としての村の起業支援補助金申請なんかもあったりで、気付けばこのコラムの原稿の締め切り日をとうに過ぎておりました。もう今回は無理かな…と編集部に相談したところ「みなみちゃんの連載を楽しみにしている読者が身近にいる。ぎりぎりになっても良いので、ぜひ」と励まされ、書き上げることができました。

　その他にも村の図書館に置いているさとびごころのわたしのページを毎回コピーして下さる図書館ボランティアの方がいたり、知り会った方のお母さまが読んで下さっているなど耳にし、文章のプロでもないわたしのまったく個人的なコラムを実際に読んで下さっている方がいる、楽しみにして下さっている方がいると思うとうれしく、さあ今回は何を書こう！　という気持ちになります。読んで下さるみなさん、ありがとうございます！

さとびごころVOL.47 2021 autumn掲載