/

web article

季節によりそう暮らしと食養生 6 ─秋─ 菜食ごはん 休日ダイヤ 三瓶歌奈子

この記事はさとびごころVOL.47 2021 autumnよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 今年は夏の間に長雨が続いたせいか、秋の訪れが早いように感じます。

 あんなに毎日鳴いていた蝉の声もいつの間にか秋の虫に変わり、朝晩はだいぶ冷え込むようになってきました。そろそろこの冬のストーブの薪の手配のことも考え始める季節です。

山と獣害

 深吉野の山に囲まれた我が家の家庭菜園。獣害対策用のネットもしっかり張り巡らせているのに、この夏、とうとう鹿に入られてしまいました。

 2m 近いネットを越えて入ったのか、侵入経路がまるで分からず頭を抱えているうちに、トマトや茄子、ピーマンにオクラなどの夏野菜は、数日で無残に食べられてしまいました。

 腹は立つのだけれど、ここは本来であれば彼らのテリトリー。そんな場所にいかにも柔らかくて美味しそうな食べ物があったら、食べたいと思うのが当たり前だよなぁ。という諦めの気持ちも半分。

 人間の経済活動によって犠牲を強いられるのは、いつも地球環境や動植物たちであることを思うと、なんだか申し訳ないような気がしてきて、なんとかうまく共生していく方法はないかな、と考える今日この頃です。

朝活で免疫力を上げる

 コロナワクチンの摂種が始まってから、「免疫力」という言葉は、ワクチンの効果を指すものに矮小化されてしまいました。

 医療の開発やワクチン接種の順番を恐々としながら待っているよりも、自分に備わっている免疫力や自然治癒力を上げることが、これからの混沌とする時代を生きていく上で、とても重要なことだと思います。

 私自身は免疫力を上げる為に、朝起きたらまず土瓶で沸かした一杯の白湯を飲みます。寝ている間に冷えた体をお腹の中から温めることで、体温も上がります。

 その後は、30分ほどかけて近くの神社まで散歩をし、ご神体の瀧のマイナスイオンをたっぷり浴びて帰ったら、呼吸を整え、ヨガで身体を伸ばします。そして、朝ごはんには自家製味噌の具沢山のお味噌汁。体がぽかぽかして一日のエネルギーが体に満たされるように感じます。

 不安や緊張、ストレス、睡眠不足、運動不足や不規則な生活などによって、免疫力は下がります。

 過度の情報は遮断して、自分の直感力を養い、良質なものを見極めて、シンプルに気持ちよく暮らしていきたいものですね。

茶の湯に学ぶ心

 最近、お茶のお稽古に通い始めました。もともとは大人の女性として相応の所作やマナーを身につけたい、という気持ちから始めたのですが、姿勢を正し、茶席に座っているだけで、心が穏やかになっていくのを感じます。

 茶道はお茶を点てる作法によって、精神を修養する「動く禅」といわれる意味がよくわかるようになりました。

 また、私の作る菜食料理の基礎にある陰陽五行の思想が、茶道にも息づいていることを知り、なんだか親しみも感じています。

 「おいしいお茶を点て、ほどよく炭を焚き、夏は涼しく冬は暖かく感じられるようにし、花は自然に活け、時間には余裕をもたせ、いつ雨が降っても慌てない用意をし、相客には心遣いを」

 当たり前のことのようですが、何かと慌ただしく過ぎていく日々では、ついついどこかおろそかになりがちなこと。

 このもてなしの心を日常生活でも実践し、これからも学んでいきたいと思っています。

・・・ 秋のおすすめ食養レシピ・・・

蓮根とひよこ豆のハンバーグ きのこのソース

〈分量〉4 人分
蓮根 100g
ひよこ豆(茹でて水切りしたもの)100g
玉葱 100g
薄力粉 10g
塩 小さじ1/2
胡椒 少々
油 適宜
〈ソース用〉
きのこ100g
(お好みのもの3~4種類)
醤油 大さじ1
葛粉 小さじ1
昆布だし 100cc
万能ねぎ 少々
〈作り方〉
1. 玉葱をみじん切りにして、ひとつまみの塩(分量外)を
振って甘みが出るまで油で炒める。
2. 蓮根は飾り用に4枚薄切りにしておき、残りを1cm ほどの厚さ
に切って、4分ほど茹でる。
3. 茹でた蓮根を粗みじん切りにして、1と潰したひよこ豆、
薄力粉を合わせ、塩、胡椒で味をつける。
4. 丸形に成形し、飾り用の蓮根スライスを貼り付け、フライパンに油
を敷いて両面を中火でこんがり焼いて火を通す。
〈きのこソース〉
5. きのこを厚手の小鍋に入れ、中火にかける。
6. きのこの水気が出てしんなりしてきたら、醤油を入れ、昆布だしを
入れて煮る。
7. 葛粉を同量の水(分量外)で溶いて入れ、よく混ぜてとろみをつける。
8. 皿に盛り、ソースをかけて万能ネギを散らす。
ひよこ豆を茹でる場合は、8時間以上水に浸して昆布をひ
と切れ入れ、圧力鍋で3分。指で軽く潰れるくらいまで煮る。
煮汁は捨てずに、スープの出汁などに活用すると良いです。

秋の食養生

 今年も実りの秋が巡ってきました。

 秋にはでんぷん質を多く含む根菜類や、お米や雑穀などの穀物が実ります。これらには秋から冬の寒さを乗り切るエネルギーがたくさん含まれています。

 また、冬の乾燥に備え、秋のうちに潤いを蓄えておく事で、冬を快適に過ごす事ができます。

 汁物、煮物やおひたしなどの水分をたっぷり含んだ食事や、きのこ類や海藻などのねばねば成分をどんどん取り入れましょう。

 果物類も美味しくなりますが、体を冷やす作用もありますので、取り過ぎには気をつけて下さい。

 中医学では、秋は「肺系」に属し、呼吸器系、免疫系、体温調節を担い、肌や大腸を司っています。

 そのため肺が弱ると、咳や喘息、疲労、肌の乾燥、便秘などを起こしやすくなりますが、ユリ根や蓮根、長芋、大根、米などの白い食物が食薬となります。

 また、肺によって体をバリアするエネルギーが全身にくまなく巡らされるので、呼吸はとても大事です。乾燥した空気から肺を守る為にマスクは有効ですが、できるだけ意識して新鮮な空気をたくさん肺に入れて、深呼吸するように努めましょう。

さとびごころVOL.47 2021 autumn掲載

筆者プロフィール さんぺい・かなこ

宇陀市にて穀物菜食の店「菜食ごはん 休日ダイヤ」を運営ののち、2020年4月より食養アドバイザー、ケータリング等の活動をはじめる。

菜食ごはん 休日ダイヤ

facebook https://www.facebook.com/qjitsudaiya/

Instagram https://www.instagram.com/q_jitsu_daiya/

さとびごころ連載

三瓶歌奈子

休日ダイヤ

季節によりそう食養生

菜食ごはん

latest article

/

サポーターになりませんか

定期購読メンバー様には毎号さとびをお届けします。また、さとびのコンセプトに共感&応援してくださる方は、ぜひサポーターになってください。100年住み続けたい地域づくりのなかまとしてつながりましょう。

購読コースについて

サポーター 5,000円 /年(送料込み・複数口対応)
定期購読 2,500円 /年(送料込み)

原則として自動継続となりますので、停止されたい方は個別にご連絡ください。

お支払方法について

下記タブよりお申し込みの方は銀行振込みとなります。
デジタル決済OKのオンラインショップからもお申し込みいただけます。

購読の
お申込み

入力内容に誤りがあります

以下の内容でよろしければ、
購読申込ボタンを押してください

ご購読期間は、毎年1月からの1年間となっております。年度途中からお申し込みいただいた方には、登録と同時に既刊の号をお送りさせていただき、新刊発行分から通常のお届けとなります。ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

購読方法

お名前(必須)



メールアドレス(必須)

確認の為、もう一度ご入力ください。

発送先住所(必須)





購読開始年

その他