2月になりまして、TEtoTE MARCHEのお知らせが始まっています。フォローしていただきますと、今年バージョンのご紹介をご覧いただけます。当日までじわじわと更新が続きます。
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https://www.facebook.com/tetoteproject.marche
【TEtoTE MARCHE とは】「会ってみたいな、作り手さんに。話してみたいな、使い手さんと。」をコンセプトに、TEtoTEプロジェクトがプロデュースする、作り手と使い手が出会う小さな MARCHE。
さとびも共催させていただいておりますので、このサイトでは、さとびと関連したご紹介をしてみますね。予備知識がありますと、会話が楽しくなるかもしれませんでしょう。「あの記事、見ましたー」みたいなところから、出会っていただけたら嬉しいです。
本日は「シガセイサクショ」志賀規子さん。初めて出会ったのは、かれこれ10年近く前、葛城市にある恵古箱さん(現さとびお取り扱いスポット)で開催された草木染めのワークショップでのこと。
でも、さとびでご紹介したいと決めたのは、もっともっと後のことでした。さとびを作りながら、「自然にも人にもやさしいとは何か」を探り求めているうちに、自分自身の中にも変化が起こっていたのだと思います。暮らしに立ち返って自然に近いものへとシフトしたいというかねてからの思いが大きくなっていきました。衣食住を一過性でなく見直していこうとしたとき、草木染めの服を手作りされている志賀さんに、お会いしたくなったのです。コロナ禍の頃、恵古箱さんで開催されていた志賀さんの展示会に出向き、「志賀さんの特集をさせてください」とお願いしました。それがvol.43特集「自然の色 手作りの服」になりました。志賀さんと個人的にはつながりのなかったわたしにとって、恵古箱さんが継続して毎年5月に志賀さんの展示会を開催してくださっていたことは幸いでした(この展示会は今や恵古箱さんの名物イベントのようになっています)。
さとびvol.43(2020 autumn)
特集では、草木染めが本来は薬でもあったことを述べ、そして「自然の色と手作りの服で暮らす」を体現されているシガセイサクショさんのコレクションを紹介し、志賀夫妻のヒストリーも伺いました。これをご縁に志賀さんが所有されている「お山」(草木染めの素材となる植物のふるさとです)でのワークショップや、さとびこ編集室主催での展示会もさせていただきました(場所は、さとびのお取り扱いをいただいております奈良市学園前のアンジュールさんや今回のTEtoTE会場でもある森のねんど研究所さん)。
志賀さんとの接点が増えていくにつれ、驚きのようなものが生まれました。それは志賀さんとの会話の中にほろりと現れる「スタンス」といえばいいでしょうか。いい意味で、「前のめりでない」ところ。
「体はひとつですから」「どんな服も同じように人の手がかかっていますから」「ちゃんと寝ています」「家で何かしているのが一番しあわせ」「ミシンはともだち」「お山の植物にも限界がありますから」といった数々の金言に遭遇しました。
vol.43をお持ちでない方のために、少し説明しますと、もともとはご主人の功督さんが「志賀制作所」という会社を経営されており、なんとそれを「たたみたい」ということになり、さらにさらに「それじゃあ、わたしも何かしましょうかね」みたいなところから始まっているのです。それまでは、おそらくカリスマ的に(というのはわたしの想像ですが)家事と手作りを愛し、家族を愛する奥さまだったのです。我が身に置き換えてみると、もし夫が会社を閉じたいと言ったとしたら、(うちの夫は会社は持っていませんが)「え?生活はどうなるの?」と、言ってしまっていたでしょう。とうてい「それじゃあわたしも何か」なんて、そんな余裕あるフレーズは出てこなかったに違いありません。(あ、でも、過去に何度か夫が会社をやめたいと言ったときは、いつもOKしてきましたよ)
志賀さんはキャリアウーマンタイプではなく、生活を愛する人であり、その延長線上にシガセイサクショがあるのでした。こんな事業の形があるとしても、本で読むくらいではないかと思いきや、目の前にいらっしゃいました。わたしは、シガさんの服だけでなく、シガさんそのもののファンになっていました。そして、その感動をこめて、さとびこブックスの第2弾としてブックを作らせていただきました。
シガさんの服が伝えるものが、服を持っている人にも持っていない人にも届くことによって、きっと多くの人の心を温めるだろう。そう思えたのです。
また、さとびこブックス作り期間中に、vol. 55で「身の丈しごとびとに会いました」の記事でもご紹介しています。(筆者:戸上昭司さん)
さとびvol. 55(2023 autumn)
今や志賀さんは年間を通じて各所で展示会(兼受注会)をされており(ご自身で主催されるのでなくお店からのオファーによるものがほとんです)、毎月奈良フードシェッドにも変わらず出店されています(まめのんきさんのブースも近くて、わたしもしょっちゅう会いに行っています)。さぞやご多忙かとお察ししますが、今年のTEtoTEにもやってきてくださることをとても嬉しく思います。
作品をお手にとられて、志賀さんの説明をお聞きになってみてください。植物が好きで、手作りが好きで、人生を愛してる人の波長に触れられます。
PS
寒いこの時期に、手放せないのが志賀さんのアンダーウエア類です。特に、肌着とシルクレギンスはもう必須アイテム。わたしがシガ服を着ていないように見える日も、見えないところでしっかり着込んでいます。静電気が発生しない自然素材・草木染めのアンダーを肌に直接まとう心地よさと温かさ。デジタル時代の今こそ、重要なアイテムと言わせてください。TEtoTEでも、必ず並ぶと思いますから、ぜひチェックを!
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TEtoTE MARCHE
2025年2月24日(月・祝)開催
場 所:森のねんど研究所(バスのご利用をおすすめします)
入場料:500円
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TEtoTEを題材に特集を作りました。出店者のみなさんが載っています。
さとびvol.57(2024 spring)特集「暮らしに手を」
志賀規子さんを掲載したバックナンバー
さとびvol.43(2020 autumn)特集「自然の色 手作りの服」
さとびvol.55 (2023 autumn)特集「今でも使いたい生活民具カタログ」
SATOBICO BOOKS
自然の色 手作りの服 シガセイサクショものがたり