この記事はさとびごころVOL.43 2020 autumnよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。
リデュース(そもそも減らす)、リユース(もう一度使う)、リサイクル(資源化する)、etc…
ごみを減らす面白い取り組みを、全国からみつけてお届けします。ゴミ減、GO!
プラごみゼロ宣言を受けて市民・事業者・自治体が連携
2019 年1月、大阪府と大阪市は共同で「プラスチックごみゼロ宣言」を出しました。また同年6月のG20サミットに際しては、「大阪ブルーオーシャンビジョン」を発表し、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを参加国共通の目標に掲げました。
これらの宣言やビジョンの実現に向けた市民・事業者・行政の意見交換の場として設けられたのが、「おおさかプラスチック対策推進ネットワーク会議」です。私もNPO代表の委員として参加しています。事業者側は、スーパーや清涼飲料メーカーなどの団体、自治体としては大阪府・市のほか堺市・吹田市などがメンバーです。
これまでに4回の会合(うち1回はウェブ会議)を重ね、メンバーの事業者や自治体によるプラスチックごみ削減の取り組みを紹介し合うとともに、毎回ゲストを招いて取り組み事例を学びました。9月11日に開かれた第4回会合では、これまでの成果と各主体が今後推進すべき重点項目を整理した「最終とりまとめ案」が示されました。
メンバー団体のアイデアいっぱい
この会議で共有された事例をいくつか紹介しましょう。スーパーの平和堂は、「循環エコ野菜」の仕組みをつくっています。店から出る生ごみを回収して専用施設で堆肥化し、指定農家がその堆肥を使ってトマトを栽培し、平和堂で販売するというものです。
関空、伊丹空港、神戸空港を運営する関西エアポートは、これらの空港でペットボトル削減のため給水スポットを設けています。また空港内のお店では、レジ袋を順次紙袋や生分解性の素材に切り替えつつあります。
先進的な環境対策で知られるアウトドア用品メーカー・パタゴニア日本支社は、ショッピングバッグのリユースなどを実践しています。
リユースといえば、イオン吹田店ではエコバッグをレジで貸し出し、お店や駅などで回収して繰り返し使う「シェアバッグ」の実験を行いました。
泉大津市では、SNSアプリ「ピリカ」の活用や「スポーツごみ拾い」を通じて、プラスチックごみの散乱対策を進めています。ピリカは、ごみ拾いの様子や成果を見える化したもので、活動のモチベーションアップにつながっているといいます。
大阪万博でのごみゼロ提言へ
私の方からは、本連載第4回で取り上げた天神祭ごみゼロ大作戦について紹介しました。また、2025年に開催される大阪万博でのごみゼロの取り組みも提言しています。
最終とりまとめの内容をどこまで実践できるか、これからが本当のスタートです。このネットワークを活かせたらと思います。
さとびごころVOL.43 2020 autumn掲載
文・北井 弘(ごみ減量ネットワーク主宰)