この記事はさとびごころVOL.28 2017 winterよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。
なんとなく不調を感じるとき、薬や病院に頼る前に、自然の力や自然治癒力により安らぎや楽しさをもたらしながら癒すホームセラピーを提唱されているクレメンツかおりさんに、誰もが取り入れやすい自然療法について紹介していただきます。
今年は秋が短く感じました。急激に寒くなったためか、カエデやモミジの燃えるような赤色がきれいでしたね。そんな紅葉も落ち葉に変わり、本格的な冬の到来です。
冬は東洋医学の考えでは腎の気が衰える季節と考えます。腎と言えば、生命力の貯蔵庫とも言われ、ここの衰えは体力や気力の低下につながります。体を冷やすことでより消耗しますので、暖かい水分を取り滋養強壮に役立つ食材を、消化の良い形で取り入れると良いですよ。たとえば、蓮根や自然薯はムチンという粘りのある成分が含まれ、すりおろすことでより粘り気が出ます。これが内臓の粘膜の修復に役立ち、風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。つまり、内臓の肌荒れに良い乳液の役割をしてくれるのです。また、ハスの実は気分のイライラを鎮め滋養強壮として、なつめは鉄分、葉酸が多く含まれ血液を造るのを助けてくれます。そんな冬にピッタリの食材を使って薬膳まんじゅうと冬野菜のあんかけスープはいかがでしょうか?
冬野菜はかぶ、宇陀の金ごぼう、白菜などと甘味がでるサツマイモを使います。寒いところで採れた冬野菜は甘味が強く、なつめの甘味も出ますので昆布だしにミネラルたっぷりの天然塩で味付けするだけで、体にやさしいスープが出来ます。最後に葛根湯に使われる葛であんかけにすると薬効もおいしさもアップしますよ。薬膳まんじゅうにあんかけスープをかけていただくのが、私のおすすめの食べ方です。
【クレメンツかおり】
1984 年フランスでアロマテラピーに出合ったことをきっかけに、色彩心理療法、気功療法、クリスタルヒーリング、フィトテラピーなど様々な自然療法を学ぶ。自然療法士(ナチュロパス)養成校” 自然療法森の学校” では、アロマテラピーを中心に、薬膳療法、鉱物療法、日本の薬草療法などのセミナーも開講。
さとびごころVOL.28 2017 winter掲載