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GOMIGEN ─ごみ減量─ 最前線 #02 フードドライブで家庭の余った食品を活用

この記事はさとびごころVOL.36 2019 winterよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 

リデュース(そもそも減らす)、リユース(もう一度使う)、リサイクル(資源化する)、etc…

ごみを減らす面白い取り組みを、全国からみつけてお届けします。ゴミ減、GO!

食品ロス予備軍を捨てないで!

 前回に続き、食品ロスを減らす工夫です。フードバンクやフードドライブという言葉、皆さんも最近よく聞かれると思います。食品メーカーやスーパーなどで余った食品をNPOなどがもらい受け、福祉施設や子ども食堂に寄付して有効活用する仕組みがフードバンク。フードドライブはその家庭版です。

 お歳暮で海苔をいただいたけど家族はみんな海苔を食べない、安かったのでパスタをまとめ買いしたけど使い切れない、そうめんを食べ切らないうちに秋になってしまった、などなど。いろんな理由で、あなたのお家にも〝食品ロス予備軍〟が眠っていませんか? それを捨てるのでなく持ち寄って、NPOや自治体の仲立ちで生活に困っている人たちに使ってもらおうというのがフードドライブです。

 ここのところ、エコ関係のイベントでフードドライブを実施する自治体も増えてきました。ただ、年に1回か2回のイベントだと、賞味期限が合わなくて、出したくても出せないというケースも。そこで東京都世田谷区は、2017 年度からフードドライブの常時受け付けを始めました。

世田谷区役所のフードドライブ受付窓口

喜ばれるのは、米や小麦粉

 世田谷区では現在、エコプラザ用賀、リサイクル千歳台、区役所の3か所で、開館時間中の常時受け付けをしています。未開封、賞味期限まで2か月以上、常温で保存可能といった条件があります。

 毎月末に各施設で受け付けた食品を1か所に集め、区社会福祉協議会が引き取って仕分け。それを各地域社協に振り分け、そこから福祉施設や子ども食堂に配送する仕組みです。窓口に出してから施設に届くまで、最大で1か月余りかかります。「賞味期限まで2か月以上」という少し厳しすぎる条件は、そのためです。

 回収量は、2018 年4~ 9 月の半年間で461kg。品目としては、インスタントラーメンやカップラーメンが多く、子ども食堂などで特に喜ばれるのは米、小麦粉、調味料だそうです。逆に、使い道が難しい乾パンやサプリメントは受け付けていません。

 印象的だったのは、認知症の一人暮らしのお母さんが毎日のように同じものを買うので、娘さんが1か月に一度掃除に来て余った食品を持ち込んでいるという例。食べ物という人の命に直結するものを扱う取り組みだけに、一人ひとりの暮らしをめぐる問題も見えてきやすいのです。

 子ども食堂などと直接つながる仕組みをつくれば、野菜や冷蔵品などもむだなく使えるでしょう。

さとびごころVOL.36 2019 winter掲載

文・北井 弘(ごみ減量ネットワーク主宰)

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