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PHOTO ESSAY これからの、これから No.02 親である僕らは

この記事はさとびごころVOL.40 2020 winterよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 

妹には理不尽に圧倒されているけど、彼なりの優しさでいつだって彼女の味方だ

 4歳で発達障害の診断をもらい、現在小学校一年生として毎日を過ごす息子。突然の診断をもらったことで、息子の違和感のある言動を「普通」という枠に無理やり押し込めるために注意するなどはやめ、だからと言って褒めたり推奨したわけでもなく、気にしないことにした。息子にとってはただただ自分を満喫しているだけの「普通」な状態だからだ。

 一口に発達障害と言ってもその程度は広く、特性も個人差があり、ひとくくりに他人と情報共有したり、それを参考にしにくい面がある。夫婦関係の悩みとよく似ているなと思う。

 発達障害の症状(生まれつきの脳の発達の違いを”症状”と呼ぶのは違和感があるが)を大きく分けると、①自閉症スペクトラム障害 ②注意欠如・多動性障害(ADHD) ③学習障害(LD) などがある。

 息子の現状は①が濃く、②をわずかに感じ、③は当てはまらない、といった感じ。多くの場合、それぞれの要素が複合的かつ個性豊かに現れるそうだ。

 彼の症状は軽度だ。二桁の暗算は僕より速く、通っているドラム教室の発表会での最高のパフォーマンスを目の当たりすると、この子は本当に発達障害なのだろうか思うことも多い。かたや小学校でのズッコケ話を聞くと、あぁやっぱりそうなんだなぁと、未だに障害と向き合う覚悟みたいなものは持てないでいる。

 そんな意味で、診断はとてもありがたかった。彼独特の言動を、そういうものだと捉えることができる。そしてこれから普通の社会で生活する息子への配慮を、僕ら親が早めに意識して準備するべきだと突きつけてくれた。その一つとして、代表的なものに療育がある。幼い頃からのコミュニケーションや日常動作の練習・支援を受けられる。息子はここに通い、僕ら親は具体的な接し方や方向性を確認できた。知らないままでは、彼を追い詰め、否定することに繋がっていたかもしれない。

 今現在、息子の全てを肯定し、のびのび子育てしているわけではもちろんない。そもそも「育てている」という感覚が全くもってないのには驚いている。彼は勝手にすくすく成長し、先輩である僕たちが、世の中の様々なアクティビティを紹介しているようなもの。そのうちに、彼の一風変わった発達をした脳は、まだ誰も見たことのない世界を発見するのかもしれない。しなくても、別にいいよ。

さとびごころVOL.40 2020 winter掲載

文・都甲ユウタ(フォトグラファー)

これからの、これから

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都甲ユウタ

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