春からの新しい連載、ふたつめは近自然の普及活動をされている合同会社日本近自然研究所代表・佐藤浩行さんによる「スイスの森と奈良をつなぐ物語」第1回は「ハイジの国のきこりたち」です。
あなんと親しい方たちは、わたくしが何かといえば近自然とか自然に近づくとかを連発しているのをご存知のはずで「もう聞き飽きた」とお思いかもしれませんが(笑)、近自然という概念はまだまだ、知られていないものだと思います。さとび読者さんであっても、一部の林業関係の方でないと馴染みのない概念であろうかと思います。
今回は、近自然を普及する会社を立ち上げられた佐藤さんに、スイスでの近自然との出会い(ハイジの森のきこりたちの出会い)からの手記を綴っていただくことになりました。(けっこうゴリゴリとお願いをした形です笑)
さとびこ・あなんのインスタグラムより
さとびvol.65からの新連載
by佐藤浩行さん
「スイスの森と奈良をつなぐ物語」
第一回 ハイジの国のきこりたち
近自然の普及活動をされている
佐藤浩行さんは
あなんが出会った二人目の「近自然」の人。
(一人目は故福留修文氏でした)
何度もさとびの執筆でお世話になってきましたが
このほど、連載をしていただくことに。
佐藤さんがいかにして近自然に出会い
今のように確信され、活動されているか
この連載で紐解かれることと思います。
新しい読者さんは、あまりご存知ないかもしれませんが、あなんにとっての二人目の近自然の人である佐藤さんには、これまでも何度も寄稿していただいています。
vol.39 街路樹考察 では スイスの道づくりを
vol.42 美しい森 では 森林の生物多様性についてを
vol.47 いつまでも豊かな森 では、近自然森づくりの話を
といいますのは、さとびは「100 年住み続けたいのは自然にも人にもやさしい地域」「自然も自分も豊かに幸せに」といつもお伝えしているそのベースに「人間が自然に近づこうよ」という思いがあるからです。そして、佐藤さんは数少ない「近自然の概念を共有できる人」であったために、さとびにとっては(主に、ご専門の森づくりのほうで)寄稿をお願いしたくなるのは自然なことでした。
奈良には吉野林業という歴史ある林業のかたちがありますが、あなんは近自然の森づくりがそれと「対立」するものだとは考えていません。奈良の杉や檜を中心とした人工林は、間伐することで手入れと収穫を同時に行う自然の摂理に逆らわない方法によって維持されてきたところに、近自然的な要素を感じます。また、昔の林業は広葉樹を残しながら植林されたとも聞きます(天川村生まれの友人より)。多様な森林が山を守ることが知られていたのではないでしょうか。
近自然は日本人のわたしたちにとって、とってつけたような異質なものではありません。ただ、スイスやドイツのほうでは、課題に直面した結果の解決方法としてそうなっていて、遅まきながら?日本も課題が大きくなってきたことによって、自然に近い森が再認識されつつあるように見えます。
自然と調和する、自然に寄り添う、とてもよく聞くことばです。でも、わたしたちは具体的にどうすることが調和なのか、寄り添いなのか、もうわからなくなってしまっているのだと思います。そんなとき、近自然、つまり人間が自然に近づくあり方がヒントになるはずです。そのあたりを、連載をとおしてじっくりとお伝えできればいいなと思います。(伝えてくださるのは、佐藤さんなんですけどね!どんなお話をしてくださるのかは、あなんも知らされていませんので楽しみです)
あなんが近自然に関心をもってから30年近くになりますが、この間に感じてきたことは日本の伝統的な文化や生活こそが近自然だったということです。西洋よりも先に、とっくの昔によく知っていた日本人。それを綺麗に捨て去って、高度経済成長やバブルやロストエイジを過ごしてきただけのこと。原点にもどって、未来に生かせば、いろんな可能性があると思います。
みなさんはいかが思われますでしょうか。連載をとおしてスイスに詳しくなっていただきたいというよりも、わたしたちのDNAに馴染む部分を感じとっていただけたらと、密かに願っております。
なお、佐藤さんが開催されている近自然のセミナーの予定については、佐藤さんのSNSをフォローなさってくださいませ。林業関係の方だけでなく、一般のわたしたちにもわかりやすい内容になっていますよ。原則的にあなんもお手伝いに参上しますー。
https://www.facebook.com/hiroyuki.sato.5851
さとびvol.65、春号、ただいま発売中です。少々限られてはおりますがお取り扱いスポットが県下各地にございますので、お近くで見つけられましたらぜひお求めください。近くにない方は、さとびこオンラインショップでお求めいただけます。
自然の豊かさ、人の心の豊かさ、ともに未来の人たちから感謝されるような時代を作っていきませんか。さとび読者さんたちと、そんな意識を広げていけたらと編集部は思っています。