さとびこの5月の畑活だよりです。畑活に興味のある方に読んでいただければ幸いです。農業のプロの方は、恥ずかしいから読まなくていいですよ!
あれは4年くらい前だったでしょうか。「有機肥料もなるべく使いたくない」と考えるようになった頃のことでした。ニンニクとイチゴは相性がいいらしいと本で読み、まねして同じ畝に植えるようになりました。最初に買ったイチゴの苗は3つ。畝の端っこに、謙虚に根づいてくれました。収穫なんて、夢のまたゆめ。しかし、いつかは畝全体にいちごの葉っぱが広がるイメージだけは膨らませながら。
イチゴは農業の世界ではハウスでシビアな管理のもと栽培されるようです。でも、わたしは路地そのまんま栽培。なんのカバーもかけません。冬には葉っぱが枯れ、初年度はご臨終かと思いました。しかし、春になると再びかわいい葉っぱが顔を出したので、驚きながら喜びました。花が咲くだけでも嬉しかった。
イチゴを育てた人はよくご存知でしょうけれど、ちょっと育ってくると「ランナー」というツルが伸びるんです。そのツルの先から根っこがでてきて、増えていきます。市販されている苗とは、このランナーの部分をカットしてあるものです。わたしは伸び放題オッケー方針のもと、「広がってねー!」と応援しました。赤いイチゴを一つ見つけただけで、嬉しかった。あまり数はできませんでした。
その次の年は、ランナーを切り取って、畝の中のあちこちに植えてみました。いま、それらが根づいています。ちょいちょい実るようになりました。持ち帰るほどでもなく、畑活のおやつとして食べたら終わり、でも畑で食べるいちごは美味し過ぎました。その次の年は、何者かに食べられることが多く、ライバルとの戦いでした。(何が食べるんだろう)
「のび放題にしないほうがいい。実が少なくなるよ」とのアドバイスをいただいた今年。少し間引きをして、畝の外にまで伸びていくランナーも整理、花が咲いたら隙間の雑草を取って、日光があたるように気を配ってみました。たくさんの蕾、たくさんの花。プロなら、たぶん、摘花をされるところでしょう。しかし、わたしはまたまたイチゴにまかせてみました。すると、今年は調子がよくて、株もとに目をやると、緑の中に補色の赤がよく目立ち、それだけでなく、葉っぱに隠れたところにもたくさんできていて、次から次へと赤いイチゴを発見できたのです。
ここのところ、3日おき程度のペースで畑にくことができていますので、行く度に次のが実っているタイミングになり、毎回イチゴ狩りをしています。先日は、ボールいっぱいになるくらい採れました。もう、食べ放題です。ひと粒を惜しんで食べる必要もなく、じゃんじゃん食べました。イチゴでおなかがいっぱいになるのって、子供のとき以来かも。とれたての、甘いイチゴ。畑でしっかりと赤くなってから食べるから、というのもあると思います。
商品になりそうなベッピンさんは、1割くらい。まずは率先してそれらをいただき、残りはまだ緑色がかっていましたが、2日くらいで赤くなってきました。キッチンに立つたびに、ポロポロ食べています。夫はヨーグルトに入れたり。
(出荷用のイチゴは赤くなる前に収穫され、お店に並んだタイミングで赤くなるように調整されるそうです。なんて細やかなお仕事。)
今年気づいたこと。少し緑色がかっていても、サイズが赤いものと同じくらいになっていたら甘い。まだ小さくて硬かったら甘くない。
その他の野菜たち
コマツナは、不織布でカバーしないとレースにしかならないと悟りました。不織布、あまり好きではないけれど、コマツナを食べるためには採用します。
えんどう豆はピークを過ぎてきました。跡地に何を植えようかしら。
スロースターターだったそら豆が、少しとれました。今年は低調のまま、終わっていきそうです。
玉ねぎ、いつも葉っぱが黄色くなり、管理下手があらわになりますが、少し丸くなってきましたので、食べられそうなものから食べていきます。
ハーブが元気です。わたしも元気をもらっています。
ナスやピーマン、トマトの苗が、しっかりしてきました。摘芯や剪定について、まだまだ身についていないことがありますので今年も学習しながら育てます。あまりナーバスにならなくても、収穫はできます。夏野菜は毎年の楽しみ。今年も食べまくろうー。
ジャガイモ。こちらもゆっくり育っています。梅雨がくるまでには、掘り上げて、片付けようと思っています。それまで、なるべく大きくなって!
自分のたべものを育てる畑活。売る予定はないという気楽さが最高です。形が悪くても平気。締切もない。季節の移り変わりを教えてくれる。タイミングの悪さも教えてくれる。虫にまけずに育ってくれる。カエルや蝶々、てんとう虫も遊びに来てくれる。初夏の畑は気持ちよくて、人混みのある行楽地よりもずっとずっと、わたしにとって魅力的なスペースです。
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さとびvol.61 (2025 spring)特集 自分の食べものを育てよう