長々と続けてきました SATOITABIのレポですが、今回で区切りますので、よかったらお立ち寄りくださいませ。前の記事で、別投稿にしますねとお伝えした件です。またまた、ときめく経験をさせていただいてきました。
新潟県燕三条と呼ばれる、金属加工で有名な町(三条市と燕市)があります。江戸時代に、信濃川の水害に苦しむ農家の副業として江戸から和釘の職人が招かれ普及したのがはじまりとのこと。博物館で信濃川とたたかってきた新潟県の農家のシーンを見たことが蘇ります(この記事の後半のあたりに写真あります)。
さとびの編集人あなんの家では、子供たちが幼い頃はさんざんアウトドア遊びをしました。そのときいつも「これいいなあ」と使っていたものの多くが、スノーピークとか、ユニフレームだったのです。それらの会社がこのあたりにあると認識してからは、なんで金属のメーカーが多いの?と思ってきましたが、この旅でクリアになりました。
三条市にある相田合同工場さまとは、何年も前(10年くらい前だと思いますがはっきりとは思い出せません…)に、社長が奈良に来られたときに出会いました。老舗の鍛冶屋さんであり「燕三条鍛治の伝統を守り、手造りにこだわり続ける鍬・農具の専門メーカー」です。遠く離れていますが、アウトドア遊びを引退し畑活を始めるようになってから、「鍬を買うなら相田さんで」とM部員がいいますものですから、わたしもご縁のつながりを嬉しく感じてきました。今回新潟まで行くんだったら「ぜひ訪問したい・工場も見学させてもらいたい」と三条へ。ものづくりの現場って、ときめきますやん? 相田さんは、あたたかく迎えてくださいました。
簡単ですが2本の動画にまとめました。1本目は、廉価版の鍬と相田さんのところの鍬との違いを教えていただいたシーンをおさめました。みなさん、鍬を使ったことがありますか。トラクターなど高価なものを買わずに畑活したかったら、鍬は必須のツールです。正直、「使えればなんでもいいです、不満は言いません」と思っていたのですが、相田さんの鍬を使ってみて、「あれ?」っと思ったことがあるんです。まるで、鎌みたい!
根っこの丈夫な稲科の雑草を刈りたいときは、鎌より相田さんの鍬がダントツ便利でした。根本の(生長点のあるところ)にぐさっとやると、それほど力を入れていないのにスパッと切れるのです。鎌なのに?そのわけがわかりました。
廉価版は厚さが同じで、先のほうに少し鋼がついているだけですが、鍛冶屋さんである相田さんが作る鍬は、「鍛造」といい、たたいてたたいて、だんだん薄くして鋼も先だけでなく幅広く作られているのでした。だから、刃物のようなものなのです。(お取り扱いにはご注意ください=自分に言う)
そのあたりをご覧ください。
つぎは工場見学ですが、わたし話を聞くのに夢中だったのか、思っていたよりも撮れてるシーンが少なかったのでわかりにくいかもしれません。ごめんなさい。相田さんのインスタでも工場内が紹介されていますので、そちらもぜひご覧くださいね。
昔ながらの木造の工場。建物は前と後ろに分かれており、中間には中庭が設けてあります。これが雪国あるあるだそうで、屋根にたまった雪をこの庭に落とすためだそうです。それが1階の屋根のあたりまで届くと。
これはまさに、新潟県歴史博物館で見たこと、そのまんまでした!(この記事の最後のあたりに写真あります)
たまたま機械が止まっていましたので、ほぼ全部を見せていただきました。仄暗い室内と土間。黒々とした機械。あちこちに鉄のパーツ。相田さんは、「全国的に鍛冶屋がどんどん減っていくので、プロ農家さんが『本当は使いたいこだわりの』鎌を諦めて、大手の店で流通しているものを買うしかないことを残念にお思いでした。鍛冶屋さんが潰れたと聞くと、アフターフォローを買って出るために出張へ。するとその土地ならではの、サイズや形があることを知り、新潟とは異なる気候風土を知り、勉強になるのだそうです。小ロットのちいさな注文でも、作ってあげたいと思う人でした。効率だけを求めるならば、ホームセンターの販路に集中することもできますでしょうに、やっぱり手作りの人、職人さん気質の人、使う人との関係を大事にされているんだと思うと、これはTEtoTE的だとときめきました。相田さんは、たしか四代目?先代のお父さまをリスペクトされています。そして次は?日本の鍛治の技術や人材が未来へつながることを願います。奈良でも、いい鍬を求めている人がいたら、おすすめしたいです(ご縁があれば)。もしくは、地元の良心的なメーカーさんがあれば、ぜひ購入してくださいね。
詳しくはインスタグラムをどうぞ。熱心に、楽しい投稿をされております。
M部員も、本業のほうで農業を取り入れていますので、「相田さんを奈良にお招きできないかなあ」というふうなことを言っていました。やはり、道具は知って使って実感しないと、購入する価値がわからないものですから。わかる人が増えたら嬉しいですー。
三条を出て奈良へ帰る途中、M部員ご所望の柏崎市の「ドナルドキーンセンター柏崎」へも寄り、書斎の再現展示にときめきましたことは前の記事の最後のほうに載せましたのでよろしければご覧くださいませ。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。嬉しいです。日本のものづくり、消費者が知らないうちに失われてしまいかねません。価格だけで選ぶことなく、価値あるもの・魂のこもった良いものを(おさいふの都合もありますけども)求めていきましょう。
それではまた次の投稿で!