今年から月1回第3日曜日開催となる雑草キッチン、1月の会を開催いたしました。
冬は、雑草が少ない季節。ですが、春から秋までに収穫した雑草(薬草)をドライにして使ったり、冬枯れた草の足元から顔を覗かせている今年の雑草を摘み取るなどして、冬も雑草キッチンを楽しめます。
編集部あなんが畑活を楽しんでいる畑でも、ハコベやホトケノザがよく育ち、ヨモギの赤ちゃんもいます。気温は一年で一番寒い時期ですが、だんだんと日が長くなり草木たちの春を迎える準備が進んでいますね。
今回のメニューは…
小豆粥
蓮根まんじゅうの雑草葛あん
寒干し大根の雑草炒め
ハコベのユズ味噌
カキドオシの醤油麹納豆
赤大根のジャバラ漬け
自然薯汁
薬草甘酒茶
この日のメニューの中から、このサイトに来てくださった方にいくつかの(わたくしの復習をかねて)ピックアップ情報をお届けいたしますね。
現代ではお正月といえば1月1日に決まっていますが、歴史の長い日本では、何種類もお正月があります(初春の満月の日、旧正月(春節)、小正月)。この中でも1月15日の満月の夜に祝うのが小正月。一年の邪気を払うために小豆粥をいただく風習があります。「祝うためには、まず邪気を払うのです(クレメンツさん)」小豆の赤が邪気を払うと考えられていました。また抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれます。玄米で作ると、さらに健康的。
小豆は玄米とは別にゆででおくと、ぜんざいなどその他の料理にも使えます。玄米粥は、ゆっくりと時間をかけて炊けば大丈夫。玄米が苦手な方でもお粥にすると、食べやすいですね。
お粥1品でいただく場合は、岩塩や自然塩でお好みの味加減にしてください。
それから、ぜひともおすすめしたいのが蓮根まんじゅうです。
これは現在発売中のさとびvol.56のレポートでもご紹介していますので、あわせてご覧いただけたらと思います。すりおろした蓮根と長芋を丸めてあげたものですが、うまく作れなかった(かく言うわたくしも経験あり)という声も聞きますので、この投稿では、蓮根まんじゅうの作り方を少し詳しくご紹介しましょう。
蓮根は、アクがありますので、普通は皮を剥き、水にさらし、酢で白くして食べる方法が知られていますが、雑草キッチンでは皮ごと下ろして使います。ほぼ同量の長芋は皮をむいておろします。二つをまぜあわせ(この時、水分が多い場合は米粉か片栗粉を加えますが、入れすぎると固くなりますので、要注意。小さじ1杯くらいで様子を見てはどうでしょう=あなんの予想)、スプーン1杯程度の量をラップで(コリっと茹でた百合根をのせて)巾着包みしておきます。この状態で冷凍保存OK。空気にさらす時間が短いので、酸化して黒く変色することはありません。
米油を熱して適温になったら、ラップを開き、スプーンですくいとって油の中へ静かに入れます。生の状態ではトロリとしたまんじゅうが、揚げるとまとまります。きつね色になったらすぐに揚げてOKです。ラップで巾着つつみまで下ごしらえしておくと、あっという間にできあがります。
味付けは、薬草入りの葛あんにおまかせしてもいいですし、お好みで種を岩塩で味付けしてください。なぜこんなに詳しく書くのか?と、いいますと、あなんが大好きだから、です(笑)。風邪をひきやすい季節、蓮根は強い味方ですよ。よかったら、作ってみてくださいね。
冬は大根を寒干しできる季節。日陰でややしんなりする程度に干します。ついつい、萎れてしまった…と思ったときも、寒の時期であれば逆にラッキー、甘さが増しています。半月切りにしてから、上の写真のように切ってください。雑草キッチンでは、味付けする前の大根本来の甘さをたしかめる場面もありました。
ユズ味噌を作っておけば、刻んだハコベとまぜるだけ=ハコベのユズ味噌。vol.56でも説明しておりますが、ユズはまるごと(皮も実もわたも)すり下ろして、味噌とまぜておきます(半々くらい)。ユズの果汁で、ちょうどいいペースト感に。3ヶ月くらいは保存できます。あとは季節の野草とまぜるだけです。
こちらは自然薯汁。自然薯も皮ごとすりおろします。えのきの軸からとった出汁で伸ばして。皮の土を落とすためにときつく洗う必要はなく、汚れが取れたらOKです。「土にはミネラルや、LPS(体の働きを活発にし、元気にするホルモン)が含まれています。土に触るだけでもいいんですよ(クレメンツさん)」微量の土は薬効があるんですね。わたくしは畑活でLPSもゲットできてるかな(^^)/
最後にいただいた薬草甘酒茶も、おいしかったー!Nちゃんが、「おかわり欲しいです!」とすっかりお気に入りでした。今回の薬草茶は、カキドオシ、ヨモギ、柿の葉、ショウガ、ゲンノショウコのブレンドでした。さすがのバランスでしたけど、お好みの薬草茶でもOKと思います。はい、クレメンツさんはきっとそう言ってくださると思います。
ポイントは、薬草茶を少し濃くするために、煮出すこと。そしてあたためた甘酒と半量ずつまぜます。急須から注いでくださるクレメンツさんの仕草が美しかったです。
このような感じで、みなさんと楽しくやっています。そしていつも自然を思う気持ちに少しでも触れてもらえたらなあと思いながら主催しております。すでにある環境は、自然そのままというよりも、とほうもない年月の積み重ねの中で人が暮らせるように手をかけ続けてきた賜物でもあります。その手のかけ方が、あまりにも行きすぎてしまうと破壊と不調和が起こります。わたしたちは、どんなふうに自然と調和していけばいいでしょう?雑草キッチンの中にもたくさんヒントがありますので、機会がありましたらご参加くださいませ。
来月の雑草キッチンは、申し訳ございません、おかげさまですでに満席となっております。3月17日は、まだお席がございますのでご興味のある方はコンタクトフォームまたはDMにてご予約くださいますと、受付確認(始めての方には詳細のお知らせ)または満席のお知らせをいたします。
先々の開催ほどご予約されやすい状況でございますので、確実に参加されたい場合は、少し先のスケジュールでご検討なさるのがおすすめかもです。雑草キッチンは、毎月第3日曜日の開催です。
ではまた、2月の雑草キッチンが終わりましたら、レポいたします。参加できない方も、レポ記事を通して雑草キッチンを楽しんでみていただければ幸いです。
クレメンツさんのご紹介を、今発売中のvol.56「風は奈良から」のコーナーで掲載しています。
あまり語られることのない幼いころのエピソードから現在につながるストーリーを知っていただけます。
オンラインでお求めいただけます。
『クレメンツさんの薬草レシピ&野草便り』はこちら
さとびごころvol.46 (特集「薬食同源奈良」)はこちら
さとびごころvol.56(特集「お米が食べたい」)クレメンツさんの記事や雑草キッチンのレポ掲載(バックナンバーになりましたら価格600円になります。ご了承くださいませ)
精霊の森で購入できる、クレメンツさんブレンドの薬草茶を一部、さとびこでも販売できることになりました。全アイテムが揃うまでには、さらに時間をいただきますが、のちのち揃えていきたいと考えております。宇陀市にある精霊の森にてお求めいただけますが、直接買いに行きにくい方のために、さとびこオンラインショップでいつでも飲んでいただけたらと思いましてクレメンツさんにお願いしました。第一弾は、目が疲れやすい方やデスクワークが多い方むけの「明目」、体温が低い方、体が冷えやすい方むけの「温もり」です。準備が整うまで、もうしばらくお待ちくださいませ。