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大地の再生(吉野町殿川・水内邸)を見学

秋号がまもなく発行になりますが、その前に。
2023年9月30日 奈良県吉野町殿川 水内邸 で開催された大地の再生ワークショップを見学してきました。

水内邸は、さとびvol.54(2023.summer)特集内でもご紹介していますので、読者の方はあわせてお読みくださいますと、より面白いかもです。

ここでは、雑誌では伝えきれないところをレポできたらと思います。

講師は特集でも全面的にご協力いただいた西尾和隆さん(西尾くんと呼んでいますー)。取材時にお話をうかがった水内さんとも再会。美しい奥様(お写真がないのが惜しいですが、音楽家PIKAさんとして活動されていますのでご存知の方もあるかもしれませんね)ともごあいさつできました。



殿川というのは、吉野町の中でも宇陀市や東吉野村に近い山の奥のほうにあります。さともだちの吉村夫妻もこの地域の数少ない住民の一人として活躍されています。殿川の集会所から山を登ったところに水内邸がありました。斜面を切り出して平地が造成されたところに家が建っているように見受けられます。

大地の再生が施された場所を理解していただくためにも、ポイントとなるスポットを説明しますね。

特集記事内(フォト集の中に水内邸があります)では、家の周辺を紹介していました。今回のポイントは大きく3ヶ所あります。

1.水内邸の裏山に向かう斜面(歩道が設置されています)
2.敷地の外縁部、隣地と高低差のあるところ
3.皆伐された後の裏山(部分)

現地に到着したわたしたちが、西尾くんの声がする場所に行ってみると1番目の現場でした。

画面右側ぎりぎりに見えている小道とは別のルートを施工中です。登り下りのある道は、それを横切るように水の通り道ができてしまうことが多いのです。その水が土を押し流し、山を脆くしてしまう。水を制御することはとても大切。西尾くんは、道を横切るように浅く溝を掘り枝を埋めていました(水脈)。道と斜面の路肩にも枝を打ち込みしがらみを作って崩れを防いであります。人が歩くだけの小さな道なので、ダンプが通るほどの強度は必要ないと語っていました。

竹炭もパラパラと。

<西尾くんの投稿より>

吉野村の山ん中で大地の再生講座。施工前の山は、水が停滞して膿んでる所と、山ん中なのに乾いてパサパサな所と、ハッキリ区別されてました。施工する事で、山に降った水が大地を潤していき、草木の根っこが伸びて行きます。

この事で防災観点からみると、地形を安定させる①土砂災害対策、降った雨水が一旦山に吸収される②洪水対策効果が期待されます。降った雨水を庭で受け止めてから、晴れた日にじわじわと湧き出します。この雨庭は、国土交通省や自治体等も予算組みが始まります。一週回って最先端かも。

#大地の再 #土砂災害 #洪水被害 #雨庭 #大地の再生関西 #大地の再生奈良



次に現場2を見てみます。家から庭を経て敷地の端っこ。リーダー格の女性が中心に施工が行われていました。

ここは後で西尾くんが重機を扱って、土を掘りました。手作業では間に合わないくらい、大地が呼吸不全になっていたようです。

このシーンはSNSでも投稿しましたので、よかったらご覧ください。掘った土を、立木をよけて上手に移動させていましたー。
https://www.instagram.com/reel/Cxz5hhRAHGU/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

地下にはグライ層という酸欠の土の層があります。ここから深いところでは大地は呼吸できない。

掘り出されたグライ層(画面中央の青黒く見える部分)。どぶのような臭いがすることが多いです。でも、空気をあててやると肥沃な土になります。

大地に手当をすることで、水が流れはじめました。水は、落ち着いたら透明になるんだろうと思います。

作業開始からしばらく経った頃、午前中のお茶の時間になりました。

「ちょっと休憩しよっかー」って感じ。それがピクニックのように和やかで。。(テーブルは水内さんのセッテイングと見えました)
楽しそうな会話がもれ聞こえてくる中に、大地の再生を実践する人たちの価値観が感じられます。そして時間がくると「よっしゃ、やろっか!」とまたスイッチが入る。大地の再生は体力仕事です。あなんのようなへなちょこは、安易にお手伝いできないことがたくさんあります。

でも、しがらみの枝を埋め込むなり、なんなり、関わりしろもあるんですよね。子どもさんでも女性でも、どこかで何か関われる。それも大地の再生の魅力だと思います。
あなんの場合、大地と呼べるほどではないのですが、畑活に応用しています。鍬やスコップなどを使って手作業でできる範囲ですが、落ち葉や枝や炭がとても愛おしくなります。そしてうまくいったら、野菜たちが(肥料らしい肥料もなしに)元気になるのが嬉しいものです。

最後に現場3、皆伐後の裏山を見ました。林業の心得があると見える人たちが、切り捨てられた木をチェーンソーで切って、天地(上下)に対して横(左右)に置いていきます。大きなしがらみづくり?

急な斜面での作業です。ひとつ間違えたら危険をともないそうで、じーーーっと見てしまいました。


あなんは午前中までで次の用事へ向かわせていただきましたが、大地の再生はこの後も、翌日も続きました。

こうして、さらに居心地のよい空間となった水内邸は、来る10月21日と22日、「はならあと」に併せてイベントをされるそうです。あなんは他の用事と重なっていますので、いけるかわからないのですが…。

https://www.facebook.com/soratoto.tonogawa

気合いがはいっています!お時間の合う方、大地の再生の現場見学をかねてお出かけになってみてはいかがでしょうか。青い看板が道案内をしてくれます。

というわけで、さとびこ編集室は、自然と人が共生できることを理念とする大地の再生(それに準ずるものや、通じる理念をもつものを含めて)が広まってくれることを願い、期待しています。特集は終わりましたが、これからも活動に注目していきたいですし、学びながら「再生」を生活文化として益々取り入れていきたいと思っています。

西尾和隆(大地の再生士・インストラクター)
https://www.facebook.com/superkazutaka

世の中の一方では、メガソーラーなどのように自然を破壊しながら「再生可能」と謳う取り組みもあります。枕詞だけではわからないんですよね。一人一人のリテラシーが問われています。よさそうなことが、たしかによいのか、それとも裏があるのか…。「自然にも人にも」を本当に実現するなら、全てのものには命があること、息をしていることを心に刻まなくてはならないのではないでしょうか。そのマインドをさとびは「やさしい」と呼んでいます。


さとびvol.54

大地の再生

殿川

西尾和隆

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