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GOMIGEN ─ごみ減量─ 最前線 #07 子どもへのアプローチは一石三鳥の効果!

この記事はさとびごころVOL.41 2020 springよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 

リデュース(そもそも減らす)、リユース(もう一度使う)、リサイクル(資源化する)、etc…

ごみを減らす面白い取り組みを、全国からみつけてお届けします。ゴミ減、GO!

大人は子どもに教えられる

 ごみ減量活動にとって全国共通の大きな課題は、担い手が高齢者世代に偏っていること。特に働き盛りの20~40代には、非正規雇用の拡大で生活に余裕がなくなった人が増えていることも手伝って、啓発しようとしてもなかなか声が届きません。こうした課題の解決法として注目されるのが、子どもに対するアプローチです。

 もちろん、子どもたち自身にとっても、小さいときからごみ問題を学ぶことで、3Rの習慣が身につき、ゼロ・ウェイスト社会の実現に向けた大きな力になります。同時に、子どもたちは学んだことを家庭でフィードバックしてくれるので、親の世代への啓発効果もあります。それだけでなく、子どもたちがごみ減量に取り組んでいれば、地域の大人たちも「子どもたちに恥ずかしいことはできない」といっそう頑張るようになります。つまり、子どもを対象とする啓発は一石三鳥の効果が期待できるのです。

福岡県大木町の「小さな分別指導員」

集積所で資源分別のお手伝い

 仙台市の清水沼町内会では、2017年度にジュニアクリーンメイトという制度を独自に設けました。クリーメイトは仙台市の廃棄物減量等推進員の愛称で、その小中学生版というわけです。たとえばペットボトル回収の日に、大人と一緒に集積所で立ち番をし、ラベルがついたままのものは剥す作業などを手伝います。通勤途中などにその姿を見た大人たちは、「自分もちゃんとしないといけない」と思ってくれます。分別ルールの啓発をするにしても、子どもたちの手描きのポスターを集積所に貼ると、効果はグンと上がります。

 前号で取り上げた上勝町に次いで全国で2番目にゼロ・ウェイスト宣言をした、福岡県大木町。ここも徹底した資源の分別が行われていますが、その取り組みに子どもたちを巻き込んでいる地域があります。毎月1回、日曜日の「資源回収の日」の朝、子どもたちが「ごみゼロ推進員(廃棄物減量等推進員)」と一緒に集積所のお世話をします。この地区では、子どもたちの参加による効果もあってか、分別の状態はとても素晴らしいそうです。

 大阪府吹田市でも一時期、子どもたちを「1日廃棄物減量等推進員」に委嘱し、地域の資源集団回収などを一緒に行うという仕組みがありました。ちゃんと市長による委嘱という手続きを踏んでいるのが特徴です。

 こうした活動に参加した子どもたちは、きっと大人になっても分別のルールを守り、積極的にごみ減量に取り組むことでしょう。ごみ問題は決して後戻りできない、日々の積み重ねが求められるテーマです。だからこそ、10 年後、20年後の社会を担う子どもたちとの協働が大切なのだと思います。

ONE STEP to GOMIGEN
100%天然素材のハコベ塩
 つい3 ~ 4 年ほど前まで、ほとんどの練り歯磨
きにマイクロビーズが配合されていました。現在
は業界が自主規制していますが、何十種類もの化
学物質が使われていることには変わりありません。
マイクロビーズの問題は、「毎日口に入れるものだ
からこそ、原料に何が使われているかもっと注意
しなければ」と気づくきっかけになりました。
 そこで、天然素材100%の歯磨き粉を手作りしま
した。その名も「ハコベ塩」。雑草の代表選手とも
言えるハコベには、炎症を抑える成分が含まれて
いているそうです。畑に生えているハコベを摘ん
で乾燥させ、ミルサーで粉にして塩と混ぜるだけ。
ハコベと塩の比率は、1:1 から1:3 くらいまで
お好みで。実際に歯磨きしてみると、何よりも「後
味すっきり」がうれしい!

さとびごころVOL.41 2020 spring掲載

文・北井 弘(ごみ減量ネットワーク主宰)

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