8月になり、もうすぐ立秋です。狂おしいほどの暑さも、ピークを超えていくのです。あともう少し、耐えましょう(笑)
そんな猛暑の日々であっても、日の出前は涼やか。
あなんは、3年前から突然畑活を始め、さとびでも「畑活デビューガイド」という特集を作り、取材しながら学び、実践しながら取材して暮らしています。さとびのためでもありますが、やはり自分のため、家族のため、楽しさと幸せのため、そして自然にも人にもやさしい地域に近づくためです。
「買うだけ」より「育てる」安心野菜
食糧危機がやってくるということが報じられていますし、ウクライナの影響で肥料が高騰したとも聞こえてきます(日本人の食は化学肥料なしには成立しないそうです)。なんだか不安ですよね。でも、そこで感情的になるよりも、日本の農を守るにはどうしたらいいのか考えながら、自分の食を作るということ=つまり家庭菜園をやっていくしかないのでは。食料危機だけでなく、ゲノム編集のこと、ネオニコチノイドなどの農薬のことなどなど気になることを数えたらキリがないほどです。安心して食べられる野菜を食べたければ、庶民の我が家は「買うより育てる」。しかも、それは(人によるとは思いますが)とても楽しくて、心が豊になります。
この季節の畑活はとにかく日の出と共に。日が登ってしまうと殺人的な暑さですから。
畑の隣の田んぼでは稲がどんどん背を伸ばし、そろそろ出穂かな(※)と思わせられます。
同じように、畑にはこの時期伸び盛りのイネ科の雑草が元気いっぱい。春には、ホトケノザやタンポポたちが広がっていた場所に、ひたすら稲に似た葉っぱの雑草たちが伸びて広がります。下の写真は稲ではなくて雑草(さとび畑の近所)。
夏の畑活は草刈りとマルチ
わたしは、草のある畑を目指しておりますが、さすがに畝の中にどんどん伸びてくるとどうしたものか。何も考えずに駆逐するというのはちょっと違う。「雑草の生えている畑は手入れを怠けた汚い畑」という考え方には単純には同意できず、草のある風景の方が好きなんですけど、草刈りすべきなのであれば、なぜなのか知りたくなりました。
ある畑ユーチューバーの方は、地下茎やランナーで広まる雑草は、野菜との相性が悪いものが多いと言います。ただでも化学肥料なしで育てているところに、勢いのある雑草が増えたら野菜が負けて栄養不足になる理屈。確かに、うちの野菜たちは、肥料(有機肥料であっても)をきちんと施した作物よりも小柄です。これで雑草に持っていかれると、ちょっとかわいそうかも。というわけで畝に侵入したイネ科や多年草の雑草は、根っこを残してカット。
(根っこは土づくりの役割がありますから残します)
でも畝と通路の間にちょいちょい草が生えているのは、境界を表しているようで気に入っています。
しかしですよ、この灼熱の日々、すっかり草を刈ってしまうと、刈った草で草マルチをしたところで数日で土が露出してきます。えらいもんですねー、草はまず乾燥してシューッと小さくなり、さらに分解されてしまうのでしょうか、消えていくのです。分解というのは、最後は水と二酸化炭素になるそうですね。消えるんですから、魔法のようですね。その手前でストップさせて「腐植」の状態をキープするのが豊かな土らしいのですけど、これだと消える一方で、畝の土が砂漠のようになってしまうんです。これもどうなん???
そこで、雑草オーディションをしています!わたしなりにざっくり規定を設けて、オーディションを通過した草は残します(笑)。そして、通路などで刈り取った草もたっぷりと畝に乗せてマルチします。ほら、環境再生型農業では、「土を裸にしない」という原則がありますよね、あれですね。真似してるんですね。
雑草を刈るのはマイ鎌を愛用していますが、最近はマイ鍬に目覚めました。新潟三条の名品を使っているためか、浅くガシガシとするだけでイネ科の雑草の生長点をスパッと切ることができ、切った草で草マルチに。マルチした草たちがいずれ土の一部になることを繰り返したいと思います。
そして8月の終わりが見えてきたところで、種を巻いたり、苗を植えたりするつもり。
現在栽培中の野菜たち(一部)
現在栽培中の野菜たちは、カメムシ、テントウムシダマシ、ウリハムシの攻撃に耐えながら頑張っています。わたしだって応援しますよ。毎回、チェック&チェック。見つけたら、駆除です。「ここには来ないで!」はっきり意思表示しないとね。
今日は、相方のM部員も虫駆除を頑張ってくれました。諦めたらどんどんやられて行きますが、日々駆除していると少しは元気を出してるんですよ。一時、もうダメかも、と思ったナスが再び実ってくれたりすると嬉しいです。これをまた、我が家の厨房対象(M部員のことですが)が素揚げなどに料理してくれますと、しみじみありがたく、美味しくてたまりません!
本当に元気な野菜は虫が来ないと聞きますが、わたしの畑はまだそんなレベルには達していないようです。おそらく肥料が足りないというより、タイミングや土のPHなど、考慮しないといけないところが知識不足なのだろうと思います。失敗しながら、毎年、少しつず畑がわかってきている自分が面白いです。農業には関心があったとは言え、畑活の自信はなかったわたしが、こんなにハマるとは、予想していなかった(笑)
畑活のことは、自分の記録もかねてSNSでちょこっと呟いたりしていますので、お見かけになられたかたは「ああ、やってるやってる」程度に横目で見ていただけたらと思います。畑活が人の暮らしのスタンダードにならないかなあ!って、わたしは一人で妄想しています。「そんなこと言って、あなた、自分はやってるの」と聞かれたら「はい、とっても楽しいですよ」と答えたい。そして、「自信がないけどやってみたい」人がいたら寄り添いたいです。そのためにも?失敗も大切な経験に(笑)
さとび読者の方や、関係者の皆さんは、わたしよりもずっとずっと大先輩がたくさんいらっしゃいます。けど、全体からみたら、畑活なんて視野に入っていない人の方が多いと思うんですよね。ですから、畑活スタンダード化はまだまだ、これからです。
※ 田んぼの景色が四季を追って変わって行きますが、そこでどんなことが行われているのかご存知でしょうか。さとびでは、農家のこせがれさんに「田んぼの四季」を連載していただきました。近日、ウェブ記事として公開するべく準備中です。公開したらお知らせしますので、覗いてみてくださいませ。「お米って、そうやって育ってるのかー!」って、よくわかりますよ。