暑っ!ってなったり、さぶっ!ってなったりの今日この頃ですが、みなさんは体調のほどはいかがですか。ここ数日は最高気温が27度とか、だんだんと夏に向かっている感じがしますけれど、朝夕はトレーナーとか着ないと寒いですね。風邪を引く前にうまくコントロールしましょうね。
さてさて、さとび夏号(vol.62)の取材活動、進行中です。
人気連載「奈良の地酒と『テロワール』をめぐる物語」。執筆は、帝塚山大学の河口充勇教授。編集部では河口先生!とお呼びしております。この連載の企画は、大きくは先生ご自身からご提案いただき、編集部的に「ぜひお願いします」という流れで決まっていきます。
河口先生には、この連載の前には、「奈良の地酒と『小さな酒蔵』の物語」を書いていただいていました。それに続き、「今度はテロワールの視点から書こうと思うんですよ」とお声がけいただいたときは、渡りに船、我が意を得たりの気持ちでした。
なぜって、さとびがなんでまた奈良酒の記事を載せ続けるかといいいますと、「飲もうぜ!」の向こう側に田んぼがあり、お米があり、水があり、土があり、山があり、祈りがあることのありがたの気づきへとつながってほしい!!!という思いがあるからなのです。それを地域に根ざす「テロワール」(もともとワインの言葉ですが、さとびでは酒蔵による地元酒米への積極的なアプローチ、という概念で取り扱っています)という切り口で書いていただけるなんで、まさにさとびごころではありませんか。
これまでに、第1回:つながる物語(前書きのような内容)、第2回:千代酒造(御所市)、第3回:美吉野醸造(吉野町)、第4回:倉本酒造(奈良市)、第6回:稲田酒造(天理市)と、まあ、奈良酒ファンであれば興味あふれる蔵が続きてきました。
それもそのはず、河口先生は日本酒に恋して?社会学の研究テーマにされているくらいです。今回第7回は、香芝市の大倉本家。実は大倉さんのことは、以前にも紹介いたしました。あれは、あなんがさとびの発行元になることを決意したデビュー作、さとびvol.32(2018 winter)。特集は「地酒で味わう奈良」。楽しむ、でなくて、味わう。なのです。酒蔵の物語はお酒を味わうためにとても大切なものだと考えました。縁あって登酒店様のご協力を得て、さとびは大倉さんの物語を取材させていただくことができました。
その時の記事がこちらです。(特集記事は、通常公開しておりませんが)。さとび読者のみなさま、特にあたらしい読者のみなさま、次号の予習として、どうぞお読みください。(執筆は小原いおりさんです。品格のある文章)
この取材のときは、わたくし、ジンときてしまいました。
なつかしいなあ。四代目大倉さんは、取材となると「ちょっと待ってください」と、必ず頭にタオルを巻かれるんですよね。なんだか、それが蔵元である自分にカチッとセットするために必須の儀式であるかのよう。
再びの掲載となるvol.62の取材は、部員Mさんが運転手兼アテンドを務め、あなんは別件の先約があり、同行できませんでした。ちょっと残念。ですけど、そのぶん河口先生の原稿が仕上がるのが楽しみです。
さて、取材から戻ってきた部員M氏が持ち帰ってきたのが、こちら。
山廃の文字が大倉さんらしいですね。
山廃ってなんでしょう?お酒好きの方であれば、ご存知のことと思います。お酒づくりの方法のひとつです。それを知らなくても美味しかったらOKだとも思うのですけど、ちょっと情報があると、それも味のうちではないでしょうか。と、いいつつも、あなんが説明するのは間違えそうで自信がありませんので(自信ないんかい!)大倉さんに教えていただきましょう。
こちらのページをご覧ください。
陽の光は、先日さとび読者のFさん主催のお酒の会でも取り上げられ、参加者のみなさまにも好評でした。「蔵元自らが、地元鎌田で栽培した『ヒノヒカリ』を蔵伝承の「山廃仕込み」によって醸し上げました(HPより)」という、ザ・テロワール(そんな言い方、ありなのかしら?)なお酒ですよね。
なお、写真の一番左側にあるビン。これ、取材のときに蔵の中にあったものを部員M氏がもらってきてくれました。今は流通していないそうです。なんて、貴重な!(でも蔵の中ではゴローンと、忘れられたような存在だったそうなのですけど)きれいに洗って、飾っています。そのうち、実際に徳利として使いますー!
このほか、大倉さんのところのお酒の中では、わたくし、濁酒が大好き。
先の記事(vol.32)の中にもありますけれど、「金鼓濁酒」は酒税法によって濁酒免許を持たなければ作れないお酒。昭和初期から奈良県神社庁の委託を受けてきた大倉さんは、その免許をお持ちで、自社蔵つき酵母&水酛(生米を水に浸して乳酸菌を増殖させ、その水を仕込み水として使用)で作られています。大倉さんのお酒を飲むなら、濁酒だなあーーーっと、ついつい。事実美味しいのです。清酒とはまた違った味わいで。取材時のお話などが思い出され、大倉さん、頑張ってーっていう気持ちになります。
大倉さんのお酒、ちょっと飲んでみたいと思われた方は、五位堂駅前にお店がありますので、いかがでしょうか。
https://www.instagram.com/okura.ekimae/
※本記事のアイキャッチ画像はこちらのインスタグラムより画像をお借りいたしました。
ではでは、7月10日発行のさとびvol.62 夏号をぜひ、お楽しみに。
これだけは知っておきたい奈良酒のこと、わかります!そろそろ在庫切れ間近。今のうちに、いかがでしょう。
さとびごころ vol.32(2018 winter) 特集「地酒で味わう奈良」
掲載の酒蔵
水と緑の恵に向き合い 風土が醸す味わいを追う蔵|千代酒造(御所市)
若き四代目が蔵元杜氏に 休蔵をくぐり抜け 山廃にこだわる蔵|大倉本家(香芝市)
「伝統ある樽酒を廃れさせたくない」念願を叶えて醸造を開始した蔵|長龍酒造広陵蔵(広陵町)
農家が無農薬で酒米をつくる|秋津穂の里プロジェクト(御所市)