恵古箱といえば、奈良で雑貨好き・カフェ好きのみなさんにはすっかり有名なお店ではないでしょうか。店主のメグちゃんこと上山恵さんは、かつらぎ恵み市実行委員会の代表でもあり、初回開催からわずか3年間で5000人を動員するような葛城市最大のマルシェに成長させた人でもあります。また、みらいの食を考える会.奈良.葛城の活動もされています。
去年のさとびでは、ヴィーガンランチのお店として紹介もしました(さとびvol.55 連載「はじめてのヴィーガン」筆者は井上和恵さん)。
そうすると、みなさんは、この写真を見て「あれ?」と思われるでしょう。看板に「古道具とギャラリー」とあるからです。
今、恵古箱にこの看板はありません。
これは、さとびが最初に恵古箱を取材したときに撮った2012年当時のものです。旧編集部ブログ(現在は更新を停止し、このサイトに引っ越しております)でも書いたことがありますが、あたらしい読者さんのためにお伝えすると、さとびこ編集室・あなんとメグちゃんとの出会いは、おたがいの子どもたちがまだ幼い頃に、現在のようなことは夢にも想像できない二人として出会っているのです。メグちゃんというのは、その当時の呼び方です。
その後、恵古箱を開いているのは「あのメグちゃんでは?」と思って訪ねてみて以来、わたしにとってこの店は繰り返し訪ねてみたくなるお店の筆頭株になりました。そしてぜひ取材させてほしいと思いました。2012年の取材は「あのメグちゃんが???」という驚きの中で行いました。旧俚志の「ピープル」というコーナーでした。目の前のメグちゃんは、年下の「赤ちゃんを抱いたインテリアが大好きで少女のような笑顔」のママとは別人のようでした。
子育てママの時代から、お互いに人生のいろいろを味わって再び向き合ってみると、メグちゃんは大人の女性として、そしてちいさな経営者として、敬愛すべき思慮深い人に変化していたことが感動的でした。恵古箱がオープンしてから2年がたっていましたが、今にしてみれば、恵古箱はよちよち歩きを始めた頃にあたります。そして、わたしもまた、さとびごころに関わってから同じく2年がたっていました。わたしのさとび歴とメグちゃんの恵古箱暦は偶然にも同じなのです。
今となっては、おそらくこの投稿でしかお目にかかれない2012年当時の「古道具とギャラリー」恵古箱を少し、ご覧ください。
この頃の恵古箱も、メグちゃんのセレクトによる「ああ、こういうのが欲しかった」と思うような古道具に囲まれて幸福な気分に浸れるお店でした。
扱うものが少し違いますが、恵古箱を知るみなさんから見ると、しっかりと恵古箱のDNAを感じられるのではないでしょうか。
恵古箱の始まりと時期を同じくして歩み始めた人にシガセイサクショの志賀則子さんがいます。志賀さんとは、この恵古箱で出会いました。
昨年、当編集室では、SATOBICOBOOKS(愛称)「シガブック」こと『シガセイサクショものがたり』を発刊しましたが、シガさんに企画をご提案したのと同じタイミングでわたしの中では「恵古箱ブックを作りたい」ということは決まっていました。
メグちゃんも、とっても喜んでくれて、実は、予定ではもうそろそろ発刊するはずでした。遅れているのにはお互いにバタバタしてしまったということ以外に、わたしの中で最初に企画したメグちゃんがさらに大きく変化を遂げているのを感じ、企画内容を再考したいという思いがあったからです。
そんな中で取材は進んでいきました。そして、ようやく「これでいこう」というものがラフの形になり、2月最後の恵古箱の営業日、予約もせずに、資料ファイルをカバンに入れて、店を訪ねました。いつものように迎えていただき、おいしいランチもいただき、最後のお客様がおかえりになってからしばらくの間、わたしたちは久しぶりにじっくりと語り合いました。さとびのおかげで、わたくしは本当にありがたいものを授かっていると痛感します。
今年は、恵古箱がオープンしてから15周年にあたります。先日も、恵古箱のインスタグラムでは「15歳になりました」との投稿があったとおりです。その記念すべき年に、なんとしても発刊したいと思います。わたしがなぜ恵古箱ブックをお届けしたいと思うのか、それは本の中でゆっくりと語らせていただこうと思っています。そして、メグちゃんにもたっぷりと執筆していただく予定です。
恵古箱ファンのみならず、好きを形にすること、等身大のまま背伸びをせずに成長すること、みえないものと繋がる豊かさと支え…などなどを感じていただけるブックになりそうですので、多くの皆さまに読んでいただけたら嬉しいです。ほんとに。
そして、写真はSATOBICOBOOKS 御用達のhinatatoちゃんに撮影してもらいました。恵古箱がぎゅっとフォトブックになった感じ。「本棚の恵古箱」になりますよ、これ。おすすめです!
さとびこ・あなんと、恵古箱・メグちゃんの絆があってこそ完成する唯一のブックになります。どうぞ、お楽しみに。。。。
2015年にはメグちゃんにさとびのコラムを連載していただいていました。こちらから全回をお読みになれます。
「はじめてのヴィーガン」で恵古箱を紹介した記事が載っています。
さとびvol.55(2023 autumn)特集「今でも使いたい生活民具カタログ」
関連投稿