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GOMIGEN ─ごみ減量─ 最前線 #12 コロナ禍とごみ問題

この記事はさとびごころVOL.47 2021 autumnよりの転載となります。内容は掲載当時のものです。

 

リデュース(そもそも減らす)、リユース(もう一度使う)、リサイクル(資源化する)、etc…

ごみを減らす面白い取り組みを、全国からみつけてお届けします。ゴミ減、GO!

大阪市における令和元年度と2年度の家庭系ごみ総収集量の月別比較(大阪市HP より)

大阪市ではプラごみが前年度比6・1%増

 「コロナ禍でごみが増えた」というのは、多くのご家庭での実感ではないでしょうか。各自治体のデータもそれを裏付けており、全国共通の傾向と言えます。

 たとえば大阪市では、2020年度の家庭系ごみの量が前年度に比べて約6000トン(1.5%)増えました。なかでも容器包装プラスチックは約1200トン(6.1%)の増、ビン・缶・ペットボトルの資源ごみは約1400トン(5.9%)の増となっています。粗大ごみはさらに増加率が大きく、約1900トン(10.6%)増です。これに対して普通ごみ(可燃ごみと不燃ごみ)は約1000トン(0.3%)の増にとどまっています。

 日本容器包装リサイクル協会によると、全国の市町村が2020年度に回収して指定法人ルートに乗せた容器包装プラスチックの量も、前年度比4.1%増となっています。

 これは明らかに、コロナの感染拡大に伴う生活様式の変化によるものと考えられます。家で過ごすことが多くなり、外食していた分がデリバリーやテイクアウトに代わったり、スーパーでパック入りのお惣菜やペットボトル入り飲料を買うことが多くなったり。スーパーでは、それまでばら売りや裸売りしていた食品もパック詰めされるようになりました。こうした変化によって最も増えるごみがプラスチックです。

 粗大ごみが大きく増えた原因は、定かではありません。ただ、在宅勤務が増えたのでワークスペースを確保するため不要な家具などを処分した、といった可能性は考えられます。

少しでもプラごみを減らせる工夫を

 コロナにどこまで気をつければいいのか明確な根拠や基準がなく、スーパーなども試行錯誤しながら手探りで対策を打っている状況です。やや過剰気味と思えるような感染防止策も、リスクが最も高い場合を想定せざるを得ない以上、仕方ないことだと思います。

 そんななかでも、私たちが少しでもできるごみ減量の努力は怠らないようにしたいものです。たとえば、出来合いのお惣菜に頼らない、せっかくのステイホームの時間だからこそペット飲料でなく茶葉をポットで淹れてティータイムを楽しむ、といったことです。

 また、コロナによって増えたプラごみの代表が不織布のマスクです。不織布の方が布よりも粒子の捕集効果が高いことが確認されているそうで、やはり感染防止のためには不織布マスクの使用もやむを得ないでしょう。ただ、少しでもごみの発生量を減らすために、三密の状態になる心配がないときは布マスクにするといった工夫もできると思います。最近では、繰り返し使える不織布マスクも販売されています。

ONE STEP to GOMIGEN
賞味期限切れ・間近の
食品専門店が増加中!
 「賞味期限が切れても食べられなくなるわけではない」と
いう事実は、最近少しずつ知られるようになりました。そ
こに着目し、賞味期限が切れたり間近になった食品を買っ
てもらうことで食品ロスの削減に貢献しようというお店が
現れました。その名も「食品ロス削減ショップ エコイー
ト」。写真は第1号店の玉川店(大阪市福島区)で、現在は
11 店舗を展開しています。
 メーカーにしてみれば通常ルートで出荷することができ
ないため、産廃処理費を払ってごみにするよりはましとい
うことで、エコイートは格安で仕入れることができます。
当然、販売価格も激安。店員さんによると、「毎日何が入
荷するかわからないので、それを楽しみにしているリピー
ターのお客さんが多い」とのことです。

さとびごころVOL.47 2021 autumn掲載

文・北井 弘(ごみ減量ネットワーク主宰)

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ごみ減量ネットワーク

さとびごころ連載

北井 弘

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