奈良の小さな地域マガジン「さとびごころ」(通称さとび)は、地域という足元に根ざして自然と調和したあり方を模索するリトルプレスです。ただいま、7月10日発行の夏号の中から、記事を紹介しています。よろしかったら、本物の雑誌のほうもお手にとってみてください。
今日は、「杉さんの里山再生録」のお話し。杉さんとは。
杉さんを一言で紹介するなら「杉浦農園Gambafarm」という農家さんなのですが、なぜ農業をしているかというと自身が縁を得た御所市の里山を舞台に、農業を通して「里山再生・地域活性」というテーマにチャレンジするためなのです。農業そのものに埋没して苦しくなったとき、「そうだ、自分は里山再生をするために頑張っているんだ」と原点回帰すると、パワーが出てくるらしいです。
バックナンバーでは自己紹介的なコラムを連載していただいていたこともありますので、杉さんの「昔話」に興味のある方はどうぞ。このサイトに掲載しています。下記のページから全回につながります。
この後、再生活動に支持が集まるようになりました。その傍らで、本当の思いを伝える場所があってもいいだろうと思いまして、連載をお誘いしてみたら、「ぜひ」とOKしていただいて今に至ります。今回で14回目。もう4年目?季節に一度の締切日…、きっと原稿を書くことが、杉さん自身にとっても日々を振りかえり未来をイメージする「考察タイム」になっていることと思います。
今回のテーマは「TEIKEI」です。詳しくはさとびvol.66を読んでいただくのがいちばんですが、要するに杉浦農園さんでは、おしゃれなカフェをベースキャンプにし、そこに契約している消費者さんが「野菜セット」を受け取りに集まってくるというシステムのことです。お野菜を受け取りにいって、カフェで一息…なんでできたら素敵ですよね。
実は、杉さんは就農した23年前に、これに取り組み、挫折した経験があります。そのあたりも書いてくれています。なぜだったんでしょうね、読んでみてね。
提携については、過去の連載でもちらりと触れてありましたが、もともとは日本で始まった取り組みです。それが海外で広まり逆輸入のかたちで今「TEIKEI」になっているんですよね。漢字とアルファベットの意味するところの違いも味わってみてください。
今回はTEIKEIとは、というお話がメインですが、次号では具体的な取り組みのようすを伝えてくださるとか。あなんも、その取り組みを始めるための説明会に参加してきました。インスタグラムでお伝えしています。
場所は近鉄五位堂駅から歩いても近い、素敵なカフェ@cafe_braliva BRALIVAさんでした。
今の時代、奈良県の専業農家戸数は約2,951戸で、全国的には44位(2020年ごろの数字)。少ないです。それを里山再生という目的のために生物の多様性を保つ方法で収益性を目指すということは、かなり難しいことと思います。ただ単に野菜を売るということでなく、「環境にも良く健康にも良く、味も良い」高品質な食を届け、そんな野菜を食べたいとのマッチングが求められます。
そうそう、この取り組みが始まる直前、杉浦さんが編集室に用事があって立ち寄ってくれたことがありました。春号が出たばかりのころで、素麺を食べていただいたんでしたっけ。
このとき、杉浦農園の野菜について
「有機野菜は高いと思われがちなんですけど、すごく味が濃くて美味しいし、捨てるところがないんです。皮も芯も、美味しく料理する方法といっしょにお渡しできたら、十分価格に見合うと思います」
と自信を語ってくれていました。今、食品ロスのことが問題になっていますよね。食べれるものさえ捨ててしまう現実を変えるところから、見を向けていきたいものです。それには農薬や化学肥料を使わずに、皮まで丸ごと安心して食べられる野菜のほうが、いいですよね。
杉浦農園のある御所市の山麓線沿いは、一瞬でストレスが吹き飛ぶような美しい景色が広がっていますが、それはこれまで農業というものとセットで、人の暮らしの営みがあったから残ってきたものです。それが揺らいでいて、これからは、わかりません。でも、今なら、わたしたちが農というものの尊さ、重要性に気づき、小さな行動を選ぶならば、いい方向に変わっていける可能性が広がっています。
杉さんを理事長とする里山再生に公益的に取り組むNPO法人さとやまからのサイトもごらんください。
おしまいに、杉浦農園さんに限らず、わたちが暮らす町内外の農地についても、「命をはぐくむものが生まれる場所」として関心をもち、大切にしていきませんか。この連載には、そんな思いをこめてお届けしております。
さとびごころは、読者メンバーの方には7月10日の発刊後に直接お送りします。
7月10日から、オンラインショップにも並びます(どなたでもお求めいただけます)。
また、奈良市内の三つの書店さまでお取り扱いいただいております。配本が完了しましたらSNSでお知らせしています。