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里山再生と大地の再生の出会い。さとび連載ライターさん二人の出会い。

杉浦農園 杉さんと
大地の再生 西尾さん
@gambafarm
@nishiokazutaka

いっしょに農園の水源をたどって環境再生の勉強会をしました。

杉浦農園杉浦さんは、今では奈良で日本酒好き(それも風の森ファンなら、ことさらに)の人や里山再生に関心のある人たちの間で大変に名前の売れている人ですが、さとびとは古いお付き合いで、コラム連載に始まり、特集で紹介したり、今も連載していただいています。
非農家出身で、縁あって金剛山の山麓にて一人で農業に取り組み、里山再生をミッションとして人生をかけている杉浦さん(杉さんと呼んでます)。出会ったころは、もしや心が折れるか、体が壊れるかと心配になったりしました。応援しないと!と思ったものです。(そういう人が杉さんのまわりにはたくさん生まれていますね)

かたや大地の再生士の西尾さん(西尾くんと呼んでます)は、これまたSNSのフォロワー数4000以上という、さともだちの中ではダントツの発信力のある人です。そうとは知らないまま、もともとの知り合いであったこともあって、彼が大地の再生に出会った2016年頃から、ことのなりゆきをずっと見守らせていただいてます。「大地の再生って、たいそうな名前だと思うけど、いったい何?」というのが最初の感想でした。でも、理解してみると自然の摂理に沿って(コンクリートで塞いでしまわずに)、大地(環境)の生命力が弱まっているところを感知し、再び元気にする方法なのでした。これは、さとびが願うところと通じます。そこで、おりに触れて連載したり特集したり、いっしょに映画「杜人」の上映会をしたり、今は協賛サポーターにもなっていただいているという、交流の長い人であります。

西尾くんが大地の再生を学びはじめたのは2016年。ついこの間のように思うのですけど、かれこれ8年たつのですね。この間にインストラクター資格を取得し、教える側になって現場に立っています。人懐っこくて、ひょうひょうとしていて、次々と、やりたいことを実現してしまう、ちょっと不思議な人です。

環境をよくしていくために、実際に行動を起こす主体者になるというのは、強い意志力が問われること。二人には共通してそれを感じます。本当に本当に、そう思っていなければ、二人のような動きにはなりません。わたしも、二人と同じようなことは到底できません。でも、人にはそれぞれ「できること」があるはずで。

わたしはわたしにできることを通して、自然も人も豊かな未来と今を繋げることに、何かしら役にたちたいと望みながらさとびを作っています。

杉さんの農地も土砂崩れがあったりして、大地が弱くなっているのではないかなあという思いがありましたので、二人をコーディネートできたことは嬉しく思います。何かヒントになったらいいなあと、昨年の4月から「いつか勉強会したいね」と西尾さんとさりげない会話をしていたところが、あっという間に今年になってしまいました。

秋津穂の里プロジェクトの舞台となる棚田の奥の森や、杉浦農園のボランティアハウスのあるところから上にある森へ続く道を登っていき、見学をしました。

水の流れが滞ってしまう理由、改善の可能性と方法案などを西尾くんが解説。その土地は杉浦さんの所有ではないため、何か施すということは持ち主の方の理解を得る必要があり、それは簡単ではありません。

水路に植えたわさび。杉さんは蕎麦栽培もしているので、いつかいっしょに食べられる日がくるかも。
人工林が立ち並ぶ森の中には、かつての棚田を思わせる石垣。大地の再生では石積みのような伝統的土木も大切な技術です。
山の中は、雪が残っていました。

今すぐ何かするということではなくでも、水や生物や山や田んぼの話ができて有意義なひとときでした。

昔は水路にU字溝を埋め込むことが、近代的で正しい方法なのだと誰もが思ったことでしょう。森の中でもよく見かけました。それが今、水の流れをとめ、大地を窒息させているとは、まだまだ知られていないことと思います。しかし、西尾くんらの実績においては、U字溝など通気性を失った場所の近くに溝や点穴などを作ることで、「プッチンプリンの原理」と西尾くんは言っていましたが、小さな穴でもプリンが押し出されるように、山全体から見たらその手入れが水や空気の流れを押し出す力になるそうです。実際の現場は、そこまで単純ではないかもしれませんが、原理を理解するのに面白い例えですね。通気性のあるなしは、外から見えないところで想像以上に大きな結果につながっているのだと、思わせられます。

大地の再生の話を初めて聞いた人は、「え?信じられない」と思われるかもしれません。わたしも、これさえあれば万能で無敵だなどとは言えません。しかし、人間が呼吸をしなくなったらそれは死を意味しますよね。すべての生きものに通じることであるなら、大地も生きもの(の集合体)だと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。映画「杜人」の上映会があったら、ぜひ見てみてください。元気がない・崩れてしまう・じめじめする・などの症状は、大地が呼吸できずに苦しんでいるからかもしれません。


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vol.54(2023.summer)特集 奈良でじわじわ大地の再生

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